プーチン露大統領(AP)
ロシアの有力紙RBCなどは29日、露軍中央軍管区のアレクサンドル・ラピン司令官がウクライナ侵略の作戦指揮から外されたと報じた。10月に東部ドネツク州の要衝リマンから露軍が撤退したことや、部分的動員の招集に関する混乱を巡り、引責させられたとの見方が出ている。
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ラピン氏は、ロシアが今年7月に東部ルハンスク州の制圧宣言をした際、拠点都市陥落に携わったとしてプーチン大統領から「英雄」の称号を与えられた。中央軍管区の司令官にはとどまっているとみられるが、ウクライナの反転攻勢の中、戦況に不満を持つ強硬派の発言力が一層強まっているとの指摘が出ている。
ラピン氏に対しては、強硬派の露南部チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長らが解任を要求してきた。カディロフ氏は10月27日、東部ルハンスクとドネツクの両州の州境付近での戦闘を巡り、「(最前線に)ラピン氏の部隊の兵士がいない」などとSNSで痛烈に批判した。
侵略に関し積極的に情報を配信しているブロガーは、ラピン氏が作戦指揮から外されたのは、動員兵の管理を巡る「状況の破綻」が原因だとの見方を示した。
露軍では強硬派の批判が強まる中、10月には西部軍管区、東部軍管区の司令官が交代したと伝えられている。