
ロシアのプーチン大統領=ロシア西部トベリ州で2022年11月7日、スプートニク通信・ロイター
今月15日からインドネシア・バリ島で始まる主要20カ国・地域(G20)首脳会議を巡り、同国のジョコ大統領は英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、プーチン露大統領の出席に懐疑的な見方を示した。プーチン氏にとって、ウクライナ侵攻開始以来、初めて欧米諸国首脳と同席する場となり得るが、和平協議の見通しが立たないこともあり、見送りを検討している模様だ。
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プーチン氏は10月下旬に出席した有識者との会合で、G20首脳会議への出欠席について「もしかして私が行くかもしれない」と含みを残していた。一方で、7日付の同紙電子版によると、ジョコ氏は今月2日にプーチン氏と電話協議した際に、プーチン氏がG20に出席しないとの印象を持ったという。
プーチン氏のG20への出席を巡っては、ウクライナのゼレンスキー大統領が3日、「もしロシアの首脳が参加するなら、ウクライナは参加しない」と表明。バイデン米政権も10月中旬の時点で、米露首脳がG20の場で会談しない意向を示していた。
2月下旬にウクライナ侵攻が始まった後、ロシアとウクライナは断続的に和平協議に臨んできたが、ウクライナ国民がロシア軍により虐殺された疑惑が発覚したことなどを受け、中断された。ウクライナ側は現在、プーチン政権との和平協議に臨まない立場を明示している。
ロシアは2014年にウクライナ南部クリミアを一方的に併合した直後に、それまで参加していた主要8カ国(G8)の枠組みから事実上排除された。その後は多国間外交を展開し、欧米諸国とも接触する場として、G20を重視してきた。一方、ウクライナはG20のメンバー国でないが、今回は開催国インドネシアから招待されている。【大前仁】