米戦争研究所、冬が到来してもウクライナ軍とロシア軍の戦闘は激化する

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米戦争研究所は今後のウクライナ軍とロシア軍の戦いについて「ドネツク州で戦いが激しくなる」と予測しており、本格的な冬が到来して気温が下がっても両軍の戦闘は収束するのではなく激化する可能性が高いと述べている。

ヘルソン戦線がドニエプル川によって事実上固定されたたため、流動的な戦線はザポリージャ州、ドネツク州、ルハンシク州の3つしかない

米シンクタンクのアトランティック・カウンシルは「ヘルソン市放棄をプーチン大統領に売り込むためスロビキン総司令官は『ドネツク州制圧』を確約した可能性が高く、ウクライナはドネツク州で始まるロシア軍の攻勢に備えなければならない」と指摘していたが、米戦争研究所(ISW)も13日のレポートで同様の指摘を行っており「ロシア軍はドニエプル川右岸から回収した戦力と新たに動員した戦力をドネツク州に投入、数的優位を作り出しある程度の成功を収めるだろう」と予測している。

米戦争研究所、冬が到来してもウクライナ軍とロシア軍の戦闘は激化する

出典:Google Map ドネツク州の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

ただしロシア軍の正規部隊、新たに動員された部隊、民間軍事会社のワグナー部隊、志願予備軍のBARS部隊、ドネツク・ルハンシク共和国の民兵、カディロフのチェチェン部隊で構成された奇妙な集合体は「通常の部隊の戦闘力より低い」と指摘しており、これを効果的な攻撃組織に作り変える時間的な余裕をスロビキン総司令官は与えられていないため「大規模で攻撃的な機動戦を実行するのは不可能に近い=数的優位と犠牲を顧みないシンプルな作戦しか実行できないという意味」と見ているのが興味深い。

ヘルソン市解放に成功したウクライナ軍についてもISWは「ドニエプル川を渡河して左岸に進むのは困難なためロシア軍の再渡河を阻止できる戦力を残し、あとの戦力は他の戦線に再配備する可能性が高い」と予測、ロシア軍が戦力を強化するドネツク州の防衛を強化する必要があるものの「余剰戦力をどこに配備するのか?」についてはルハンシクか「別の何処か」と曖昧だ。

米戦争研究所、冬が到来してもウクライナ軍とロシア軍の戦闘は激化する

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

ヘルソン戦線がドニエプル川によって事実上固定されたたため、流動的な戦線はザポリージャ州、ドネツク州、ルハンシク州の3つしかなく、ウクライナ軍にとってドネツクは「少ない戦力で大きな戦力を釘付けにする場所=防御に有利な地点で戦うという意味」であり、ここの部隊が踏ん張ってロシア軍の戦力をより多く拘束できれば他の地域で違いを作り出すことができる。

ザポリージャ州のメリトポリに向けて前線を50km~60kmほど押し返せばクリミア経由による兵站をHIMARSで妨害することができ、ドニエプル川左岸に展開するロシア軍の弱体化を狙うことができるが、この戦線は侵攻初期から圧倒的に動きが少なく、ロシア軍は長い時間をかけて防御陣地や地雷原の設営を行っており、右岸からの撤退後にメリトポリ周辺の要塞化を進めているという報告もあるためザポリージャ州で違いを作り出すのは簡単ではない。

米戦争研究所、冬が到来してもウクライナ軍とロシア軍の戦闘は激化する

出典:Google Map ルハンシク州の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

一方のルハンシク州はクピャンスク、イジューム、リマンでの敗戦を受けて防衛ラインを急造しているため完璧ではなく、現在もウクライナ軍が限定的な前進を続けている場所なので、ここにヘルソン市解放で浮いた余剰戦力を配備するのが最も有望そうだが、ここはプーチン大統領が解放を約束したドンバス地域なのでロシア軍も必死に抵抗してくるだろう。

ISWの予測によると「スロビキン総司令官はヘルソン市放棄の代わりに確約した『ドネツク州制圧』を直ぐに実行へ移す可能性が高く、ウクライナ軍も進めている反撃を継続するため、本格的な冬が到来して気温が下がっても両軍の戦闘は収束するのではなく激化する可能性が高い」と見ているが、本当に何が起こるのかは誰にも分からない。

ロシア軍、ドニエプル川右岸から持ち帰った戦力をどこに再配備するのか?

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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