ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の建物=ロイター
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の雇い兵としてウクライナ侵略に加わり、投降して露側に引き渡されたとされる戦闘員がハンマーで撲殺される動画を、同社関係者がSNSで公開した。ウクライナ側に投降した「裏切り者」と伝えており、見せしめにする狙いとみられる。
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動画は約1分20秒で、12日夜から13日未明にかけ公開された。戦闘員は50歳代の元受刑者で、動画の中で、「ウクライナのために戦うため」9月に寝返ったと自白。その直後、ハンマーで頭部を2度殴られた。
ワグネルの創設者で、プーチン露大統領に近い実業家エフゲニー・プリゴジン氏は13日、動画について「素晴らしい演出だ。彼(戦闘員)は不親切だが、公正な人々と出会った」とSNSに投稿し、撲殺にワグネルが関与したことを示唆した。
独立系メディアによると戦闘員は、11月の捕虜交換で露側に引き渡された可能性があるという。ウクライナ側は、投降を呼びかける際に「希望すればロシアに戻さない」としており、動画の配信は、投降しても身の安全は保証されないとの印象を戦闘員らに植え付ける意図もありそうだ。