ポーランド着弾が「ロシアから発射されたとは考えにくい」このバイデン大統領の“言い方”の理由 ウクライナの迎撃ミサイルか


ポーランド着弾が「ロシアから発射されたとは考えにくい」このバイデン大統領の“言い方”の理由 ウクライナの迎撃ミサイルか

ポーランド東部プシェボドフのミサイル着弾現場を調査する警官ら。撮影日:2022年11月16日 AFP=時事

辛坊)アメリカはかなり早い段階で、「ロシアが撃ち込んだわけではないだろう」という情報をつかんでいて、その情報はすぐにバイデン大統領へ上がっていたはずです。なぜなら、バイデン大統領は第一報の段階で「ミサイルの軌跡から考えると、ロシアから発射されたとは考えにくい」というふうに言っています。「本当にそんなことが分かるのか」と思われるかもしれませんが、分かるんです。

アメリカは衛星や偵察機を使って、ウクライナはもちろん、NATO加盟国のポーランドも含め、飛び交うミサイルがどこから発射されたかを徹底的に把握しているはずです。ですから、今回の着弾についても、ロシアのミサイルを迎撃しようとしたウクライナのミサイルであるという情報は、かなり早い段階で突き止めていたでしょう。あとは、公にするタイミングを見計らっていたのだと思います。それでも、すぐに明かせなかったのには理由があります。

ミサイル探知能力は国防上も非常に重要な情報です。タイミングしだいで、探知能力をばらすことになりますから、分かってはいても、当初は曖昧にしていたんです。それで、ある程度の時間が経過してから、着弾がウクライナのミサイルだと言及しました。このタイミングですが、仮にロシアが発射したミサイルだったという情報が世界的に広まってしまうと、NATO加盟国などで「なぜ、反撃しない」といった世論につながる可能性があります。そうした声を早めに抑えたいという事情もあったはずです。

今回の結果を招いたのはウクライナの迎撃ミサイルではありますが、2月にロシアがウクライナへ侵攻していなければ、こんなことは起きていません。ですから、結果における責任は全てロシアにあるという目線を失ってはいけないと思います。



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