欧州、ロシアの次の狙いはウクライナを支援する我々の武器不足

[ad_1]

欧州の国防当局者は「ロシアの次の狙いはウクライナを支援する我々の武器不足だ」と口を揃えて指摘しており、スウェーデン軍の総司令官は「時間はあっても資金がないという環境で働いてきたが、現在は野心も資金もあるのに時間がない」と述べている。

もはや似たような兵器を西側諸国で何種類も製造するというのは有事の武器供給にとって害しか産まないのだろう

ハリファックス国際安全保障フォーラムに出席するため先週末にカナダに集結した欧州の国防当局者は「ロシアの次の狙いはウクライナを支援する我々の武器不足だ」と口を揃えて指摘、ホスト国カナダのウェイン・エアー参謀総長は「ウクライナが要求する支援と自国の安全保障に必要なニーズのバランスを調整する作業は夜も眠れないほど大変だ」と述べ、多くの国が「NATO加盟国としての義務」と「ウクライナ支援」のバランスについて困難な話し合いを強いられている。

欧州、ロシアの次の狙いはウクライナを支援する我々の武器不足

出典:Генеральний штаб ЗСУ

ウクライナ軍がロシア軍と戦うため必要な武器支援が9ヶ月間も続き、米国を含むNATO加盟国が保有する武器・弾薬備蓄が急減したため「ウクライナ支援に必要な武器が不足している」と日本メディアも報じているが、この戦争でウクライナ軍が勝利したところでNATOの潜在的な脅威であるロシアが消滅することはないため、この問題の本質は「ウクライナ支援のため自国もしくはNATO全体の安全保障に対するリスクをどこまで受け入れるのか」というコンセンサスの部分に根ざしている。

ロシアはウクライナとの戦争で備蓄してきた戦力を消耗しているため眼の前のリスクは減少傾向だが、米国を含むNATO加盟国の備蓄の余剰分をすでに吐き出し、自国の安全保障やNATO加盟国としての義務=第5条が発動された際の即応性確保に必要な備蓄分に手をつける所まで来ており、この問題についてバウアーNATO軍事委員長は「ロシアが戦力のギャップを回復させる能力とペースについて複雑な計算をしなければならない」と説明している。

欧州、ロシアの次の狙いはウクライナを支援する我々の武器不足

出典:NATO Arctic Circle

一見すると西側諸国の総生産力はロシア1ヶ国を圧倒しているため「何を恐れているのか?」と首を傾げたくなるかもしれないが、現代の武器や弾薬の製造には高度な技術、商用向けと重複する汎用性の高い部品、ミリタリー向けに設計され用途の限られる特殊な部品で構成されており、これを非常に限られたサプライヤーが支えているため「増産要請」を行っても非常に長いリードタイムが発生し、しかも大半のサプライヤーには株主が存在する=民間企業なので過剰な設備投資や在庫を抱えることに否定的だ。

元米陸軍長官のエリック・ファニング氏は「鉛筆を作るのは違いジャベリンやスティンガーを作るには多くのサプライヤーが必要で、組み立てに必要な部品の大半も他の製品に流用が効かないため、もし状況が代わり顧客が購入を取りやめれば非常に高くつく」と述べており、国防総省ですらメーカーとの増産契約に向けた交渉が思うように進んでいないらしい。

欧州、ロシアの次の狙いはウクライナを支援する我々の武器不足

出典:U.S. Marine Corps photo by Cpl. Jennessa Davey

スウェーデン軍のミカエル・バイデン総司令官も「我々は削減と縮小の30年間の中、時間はあっても資金がないという環境で働いてきたが、現在は野心も資金もあるのに時間がない。これまでのやり方を続ければ必要なものを手に入れるのに気が遠くなるほど待たされる」と指摘、もはや似たような兵器を西側諸国で何種類も製造するというのは有事の武器供給にとって害しか産まないのだろう。

因みに米国防長官はNATO全体会議で加盟国に「もっと自国の産業界と協力して追加の製造能力を提供してほしい=米国製兵器のサプライヤーは欧州にあるのでこれの増産にもっと協力しろという意味」と圧力を加えたらしい。ただ米国自身も苦慮している問題を「何とかしろ」と迫ったとことで上手くいはずもなく、この点において戦時体制に移行したロシアは産業界の24時間フル操業、民需生産を犠牲にして軍需生産に必要な資源や人員の調整で西側諸国よりも有利だが、高度な武器や弾薬の製造に問題抱えているため本当にいい勝負なのかもしれない。

一つだけ言えるのは他国の戦争のために効率と利益を無視してまで協力する民間企業や株主はいないという点だ。

米メディア、ロシアはマイクロチップの備蓄を大量に持っている可能性
米軍備蓄量が急速に減少、今後のウクライナ支援に支障が出る可能性も

 

※アイキャッチ画像の主張:U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Rachel K. Young スティンガー

[ad_2]

Source link