
ジョージア首都トビリシで、2007年のデモ鎮圧をめぐる裁判に臨むミヘイル・サーカシビリ元大統領(2021年12月2日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】ジョージアで収監されているミヘイル・サーカシビリ(Mikheil Saakashvili)元大統領(54)が重金属とみられる毒を盛られ、適切な治療を受けなければ死亡する恐れがあることが、サーカシビリ氏の弁護団が5日に公表した医療報告書で明らかになった。
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サーカシビリ氏は自身に下された有罪判決について、人権団体と共に政治的動機に基づくものだと非難している。収監後、50日間にわたる抗議のハンガーストライキを続けたが体調が悪化し、昨年病院に移送された。
先月28日付で発表されたこの報告書の中で、米国在住の毒物学者デービッド・スミス(David Smith)氏は、水銀やヒ素を含む毒性物質が、サーカシビリ氏が収監された後に使用されたと考えることは医学的に見て合理性があるとの見解を示した。
また、サーカシビリ氏が適切な管理が行き届かない中で有害な療法を受けていたとの指摘もある。
スミス氏は、ジョージアでは適切な治療が拒否されたか、利用できなかったとみられるとした上で、処置を施さなければサーカシビリ氏の死亡のリスクは高まると警告した。
一方のジョージア当局は、サーカシビリ氏には十分な医療が施されていると主張している。
サーカシビリ氏を診察した医師団の代表である別の医師は5日、AFPに対し、同氏に「脳障害と中毒性の神経疾患があると診断された」と説明。また、人権監視団によって設立された医師評議会の医師によると、同氏は「拘束されてから40キロ以上体重が減った」という。
親欧米派のサーカシビリ氏は2004~13年に大統領を務めた。退任後はウクライナに亡命していたが、亡命中に職権乱用罪で有罪判決を受けており、21年の帰国直後に逮捕された。【翻訳編集】 AFPBB News