トランプ氏「大統領選で不正なら憲法停止」 発言に批判広がる

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トランプ氏「大統領選で不正なら憲法停止」 発言に批判広がる

トランプ前米大統領

 「憲法停止」発言の引き金になったのは、短文投稿サイトのツイッターが20年の大統領選直前、民主党候補だったバイデン氏(現大統領)を巡る疑惑報道の投稿を規制した経緯を記した「ツイッターファイル」の公表だった。

 米紙ニューヨーク・ポストは20年10月、バイデン氏の次男ハンター氏が使用していたパソコンに保存されていたメールに基づき、ハンター氏が15年に当時取締役を務めていたウクライナ企業側と副大統領在任中のバイデン氏を引き合わせた疑惑を報道。しかし、ツイッター社は「コンピューターのハッキングに基づく情報の疑い」があるとして、記事へのリンクを張った投稿を規制し、報道を拡散したアカウントを凍結した。16年大統領選にロシアが介入し情報操作をしたことが問題視され、米情報当局が注意を呼びかけていたことも背景にあった。

 今年10月にツイッターを買収したイーロン・マスク氏は12月2日、連携するジャーナリストを通じて、当時の経緯を「ツイッターファイル」として公表した。投稿規制は同社の情報操作対策に基づく措置だったが、社内で「情報操作ではない」との見方が強まったにもかかわらず投稿規制を続けたことや、民主、共和両党の双方からさまざまな投稿削除の依頼があったことが明かされた。

 大半は既に報道されていた内容だったが、トランプ氏は3日に自身のソーシャルメディアで「ビッグテック(巨大IT)企業と連携して、民主党が大規模な不正をしていたと明らかになった。この種の大規模な不正があった場合、あらゆるルールや規則、条文、そして憲法の内容さえも停止することが許される」と主張した。

 トランプ氏は20年の大統領選で敗北しながら、選挙結果を覆そうとし、憲法で保障された平和的な権力移行を妨害しようとした疑惑がある。そのトランプ氏が「憲法停止」に言及したことで、すぐに波紋が広がった。ホワイトハウスのベーツ副報道官は「国家の魂が忌み嫌う発言であり、例外なく非難されるべきだ」と指摘。共和党の反トランプ派の筆頭格であるチェイニー下院議員も「トランプ氏は20年大統領選の結果を覆すために憲法を停止すべきだと今も信じている」と批判した。

 トランプ氏は5日になって「フェイクニュースは私が『憲法停止を望む』と言ったことにしようとしている。大規模な不正があれば、誤りを正す措置がとられなければならないと言っただけだ」と釈明した。しかし、6日には共和党上院トップのマコネル院内総務も「いかなる場合でも、憲法が停止されるべきだなどと考える人物が、大統領になるのは非常に難しい」と批判。マコネル氏はトランプ氏の政敵だが、従来はトランプ氏の言動を無視することが多く、今回は一歩踏み込んだ。

 ただ、反トランプ派を除くと、「憲法を完全に支持する」(党下院トップのマッカーシー院内総務)、「憲法を信奉している」(スコット上院議員)などと、トランプ氏への直接的な批判を避ける例も多い。トランプ氏が11月に白人至上主義の活動家と会食していたことが発覚した際も、共和党議員らは活動家を批判する一方で、トランプ氏への論評を避けるケースが目立った。

 共和党議員らが慎重なのは、トランプ氏が依然として党内で一定の支持を保っていることが背景にある。11月下旬の調査会社ユーガブの調査では、党の次期大統領選候補としてトランプ氏の支持率は36%で、南部フロリダ州のデサンティス知事(30%)らを抑えてトップだった。デサンティス氏との「一騎打ち」を想定した調査では、僅差で支持が下回るケースが相次いでいるが、候補の選択肢が多いほど強固な支持層があるトランプ氏が浮上する構図が、世論調査からもうかがえる。

 一方で、11月の中間選挙でトランプ派の候補が接戦区で相次いで敗れ、共和党議員らの間でトランプ氏の求心力は低下した。11月15日に大統領選への出馬を表明した後も、明確に支持を表明したのは下院ナンバー3のステファニク下院議員総会会長やトランプ派の筆頭格であるグリーン下院議員ら少数にとどまっている。共和党議員らは、大統領選の候補指名レースの行方もにらみながら、慎重にトランプ氏との「間合い」をはかっているとみられる。【ワシントン秋山信一】

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