天皇皇后両陛下モンゴルご訪問:初の公式訪問と雅子さまのご体調

天皇皇后両陛下は、7月6日にモンゴルへの公式訪問のため出発されました。これは在位中の天皇として初めてのモンゴルご訪問となります。首都ウランバートルに滞在し、13日に帰国される予定です。今回の訪問では、日本とモンゴルの友好関係深化に加え、戦後、モンゴルで抑留され亡くなった日本人を追悼する「慰霊の旅」という重要な側面があります。一方で、宮内庁は雅子皇后陛下のご体調に配慮し、無理のない範囲で行事に参加されるとしており、そのご体調が注目されています。

初のご訪問の背景と意義

両陛下のご訪問は、2022年にモンゴルのフレルスフ大統領が来日した際の招待がきっかけです。宮内庁担当記者によると、大統領からはその後も度々、陛下への訪問招請が寄せられていました。今回の訪問は、戦後80年にあたる今年、両陛下が続けられている硫黄島、沖縄、広島などへの「慰霊の旅」の一環としても位置付けられています。戦後、旧ソ連によりモンゴルには約1万4000人の日本人が抑留され、約2000人が命を落としました。陛下は皇太子時代の2007年にもモンゴルを単独で訪問し、日本人抑留者の慰霊碑に供花されています。今回の滞在中、両陛下は揃ってこの慰霊碑を訪ね、犠牲者を追悼されました。出発前の会見で、陛下は「心ならずも故郷から遠く離れた地で亡くなられた方々を慰霊し、その御苦労に思いを致したい」と述べられました。

元駐モンゴル大使の花田麿公氏は、今回の訪問について「両陛下がモンゴルの国民的スポーツ祭典『ナーダム』の開会式に出席なさることは、日本とモンゴルの友好関係が極めて良好で揺るぎないものであることを世界に強く印象付けるだろう」と期待を寄せています。

雅子さまのご体調に配慮された日程

今回の親善訪問において、雅子皇后陛下のご体調への配慮が重要な要素となっています。ある皇室ジャーナリストは、宮内庁が事前に「ご体調を見ながら無理のない範囲で行事に出席される」と発表したこと、そして今回の日程自体が、皇后さまのご体調を考慮して比較的緩やかに設定されている点を指摘しています。

例えば、到着初日は午後に到着された後、公式日程は組まれませんでした。訪問2日目には、チンギス・ハーン国立博物館やウランバートル市の上下水道公社のご視察が行われましたが、これらは陛下お一人での参加でした。

3日目には歓迎式典が催され、両陛下揃って出席されました。その後、フレルスフ大統領夫妻との会見、日本人抑留者慰霊碑への供花も両陛下で行われました。夜には大統領主催の晩餐会に臨まれました。しかし、この3日目に主要な国賓としての公式行事が集中しており、その後の9日、10日に予定されている教育施設へのご訪問には、皇后さまのご同行は未定の状況と報じられています。また、11日のナーダム開会式へのご出席は両陛下揃っての予定ですが、翌日に続く競技のご観覧は、陛下お一人となる可能性が高いと見られています。このように、訪問中の日程は雅子皇后陛下のご健康状態を最優先に、柔軟に進められています。

モンゴルをご訪問中の天皇皇后両陛下、雅子皇后のお姿モンゴルをご訪問中の天皇皇后両陛下、雅子皇后のお姿

今回のモンゴル公式訪問は、両陛下にとって初めての、そして歴史的な訪問であり、日本とモンゴルの友好関係をさらに深める貴重な機会です。同時に、戦後モンゴルで亡くなった日本人抑留者を追悼する慰霊の旅としての側面も持ち合わせています。宮内庁は雅子皇后陛下のご体調を慎重に見守りながら、可能な範囲で公務に臨まれるよう日程を調整しており、訪問の成功と雅子皇后陛下のご健康が願われています。

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