ロシアの同盟国、ベラルーシの国防省は13日、ルカシェンコ大統領の指示により、同国軍の「緊急の戦闘準備点検」を開始したと発表した。同国内で軍の動きを監視しているグループも同日、同国軍の一部部隊がウクライナ国境方面に移動したと指摘した。これらの動きは、ウクライナ軍の注意をベラルーシ方面に引き付けるためのロシアと連携した陽動戦術の一環だとする見方が強いが、ウクライナは警戒を緩めていない。
ベラルーシの動きについて、ウクライナ国家安全保障防衛会議のダニロフ書記は13日、「仮にベラルーシが侵略に加わる場合でも、われわれはあらゆる備えができている」と指摘。ウクライナ国境警備当局幹部も同日、「ベラルーシ方面には十分な防衛線が構築されている」と強調した。ウクライナメディアが伝えた。
ウクライナの北方に位置するベラルーシは露軍の侵攻開始拠点の一つとなり、現在もミサイルの発射拠点となっている。ルカシェンコ氏は対ウクライナ参戦を否定する一方、10月に露軍との合同部隊の創設を発表するなど、参戦を示唆するような動きを見せてきた。
米シンクタンク「戦争研究所」は今月11日、ベラルーシはロシアに協力し、ウクライナ軍の戦力を分散させるための「情報作戦」を展開していると指摘。ベラルーシ軍は小規模な上、ルカシェンコ氏は参戦による国内の反発を警戒しているとし、「ベラルーシが参戦する可能性は極めて低い」と評価した。