危機的なドイツ軍、砲兵装備も防空システムも艦艇もヘルメットもない

[ad_1]

ドイツ連邦軍の作戦準備に関する極秘報告書を入手したSüddeutsche Zeitung(SZ)紙は13日、目に余るような軍の脆弱性を明かしていると指摘して「ドイツはNATOの義務を果たすことが困難だ」と報じている。

2025年までにヘルメットや防弾ベストを含む個人用装備が全兵士に行き渡る???

これまで国防省はドイツ連邦軍の作戦準備を「稼働率」で示してきたが、この方法では比較的新しい装備の稼働率が高く表示されるだけで「作戦準備の実態(装備の稼働率が高いだけで実際の任務に対応できる力があるかどうかは別問題という意味)」が反映されているとは言い難く、今回から装備の状態、人員の充足率、訓練レベルなどを加味して「どの程度の任務に対応できるか」という評価に変更したものの結果は悲惨だ。

危機的なドイツ軍、砲兵装備も防空システムも艦艇もヘルメットもない

出典:Bundeswehr / CC BY 2.0

NATOはウクライナ侵攻が発生後、ロシアと国境を接する国の防衛を強化するためエストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドといった国に加盟国の部隊を追加派遣することを決定し、ドイツもリトアニアに約3,000人規模の戦闘旅団を派遣したが、砲兵装備の不足(稼働状態だったPzH2000をウクライナに提供したのが原因)しているため旅団は自前の火力支援=砲兵部隊なしに派遣され、今のところ不足する大砲をカバーするための装備はどこにも見当たらないらしい。

さらに防空システムの不足からリトアニアの防空任務もパスする必要があり、スロバキアに派遣したパトリオットシステムはアップグレードを受けるため2023年末までにドイツに戻さなければならず、これをカバーするための代案を検討している最中で、海軍は国連やEUの海上ミッションに派遣する艦艇の用意が間に合うか微妙な状況で、空軍は旧式のレーダーシステム、無線機、ソフトウェアが足を引っ張り「2023年以降の領空保護が提供できるかも怪しい」とSZ紙は報じている。

危機的なドイツ軍、砲兵装備も防空システムも艦艇もヘルメットもない

出典:Bundeswehr/Stefan Petersen

結局、ドイツ連邦軍の保有する装備リストは表面的な数字に過ぎず部隊としての体裁が整っていても「実際の任務に対応できない=装備も人員も不足して練度も低い」という意味で、これは冷戦終結後の国防予算削減とメルケル政権時代に採用したドクトリンが影響しており、メルケル・ドクトリンの下で高い準備率を維持する必要があるのは海外に派遣される部隊だけで、何時でも動かせる状態の装備を異なる部隊間で共有、メンテナンスも専門の企業に委託、スペアパーツや砲弾も必要なときに必要を量を発注する方式に切り替えたためためだ。

因みにドイツ社会民主党で予算を担当するシュヴァルツ議員は「軍の装備調達に動きがあり、2025年までにヘルメットや防弾ベストを含む個人用装備が全兵士に行き渡るだろう」と述べており、もしかすると10年に及ぶヘルメットの検証を経て「平均的なドイツ人の頭部にフィットするかどうか?」という答えが遂に出たのかもしれない。

財源があっても支出が出来ないドイツ、国防予算がGDP比2.0%に届かない?
ドイツ軍の再生に投じられる1,000億ユーロ、問題は行き過ぎた官僚主義
ドイツが陸軍保有のPzH2000提供を検討、但し半分以上が動かない
戦闘機の次はブーツが足りない?自費でブーツを購入するドイツ軍兵士

 

※アイキャッチ画像の出典:Bundeswehr/Maximilian Schulz

[ad_2]

Source link