患者らが列を作った北京市内の発熱外来(23日)=大原一郎撮影
【広州=吉岡みゆき】香港紙・明報は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込む「ゼロコロナ」政策の大幅緩和に踏み切った中国本土で、今月の累計感染者数が2億4800万人に上った可能性があるとの推計を報じた。国家衛生健康委員会の21日の内部資料が流出したとしている。同委員会の公式発表では1~22日の感染者数を計約28万4700人としており、大幅な食い違いが生じている。
中国では、厳しい移動制限や感染者を洗い出して隔離する大規模PCR検査を7日に取りやめて以降、感染が急拡大している。中国の人口は約14億人で、報道が引用した内部資料によると、累計感染率は17・56%に達した。特に感染が広がっているのが、北京市と四川省で、累計感染率が50%を超えたとしている。
英医療調査会社エアフィニティは21日、中国で1日あたり5000人超の死者が出ているとの推計を公表した。同委員会は1日あたりの死者数を0~5人と発表しており、隔たりがある。中国のSNSでは、火葬場に長蛇の列ができ、手が回らない多数の遺体が葬儀場の駐車場に置かれている様子を撮影した写真が拡散している。
松野官房長官は23日の記者会見で、中国で新型コロナの陽性が確認された邦人1人が死亡したと明らかにした。政府関係者によると重慶市の40歳代男性という。重慶市の日本総領事館が19日に確認した。