イタリアはウクライナ支援で弾薬不足、全ての国が備蓄を増やすため競争中

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伊コリエーレ・デラ・セラ紙は「イタリア軍の弾薬備蓄量はウクライナ支援の影響で大幅に低下し、米国に緊急調達を打診したものの『長い列の最後尾に並ぶ必要がある』と回答された」と報じており、この問題は全てのEUに共通するものだと付け加えた。

火力の質を担保する「高価で複雑な精密誘導兵器」と火力の量を担保する「安価で量産しやすい武器」のバランス

米国、英国、ドイツ、ポーランドはウクライナへの軍事支援でスポットライトを浴びることが多いが、イタリアもウクライナ支援に積極的で支援の詳細を殆ど公表していないものの相当量の装備・弾薬(M270MLRS、PzH2000、M109L、M113、FH70、イヴェコLMV、SAMP/T、Aspide、Skyguard、各種弾薬など)を提供しているのが確認されている。

イタリアはウクライナ支援で弾薬不足、全ての国が備蓄を増やすため競争中

出典:Ukraine News ウディネ駅で撮影された20輌以上のM109L

イタリアのウクライナ支援については「ドイツに匹敵する」と声もある位だが、現地紙は「この支援が安全保障に深刻な影響を引き起こしている=現在の継戦能力は推定48時間~72時間らしい」と報じており、この問題は全てのEU加盟国に共通するものだと付け加えているのが興味深い。

欧州では「大規模戦争が勃発する可能性の低下」や「精密誘導兵器の普及」で戦術的要件が変化し弾薬備蓄量や調達量が激減、さらに調達コストの問題で多くの国が海外からの輸入に頼ったため、イタリアでは過去10年間のあいだに防衛産業企業の2/3が姿を消したが、イタリア軍はウクライナ支援の影響で深刻な弾薬不足に直面しており、失われた生産能力を取り戻すにも莫大な設備投資が必要で、さらに製造に不可欠な火薬は市場で奪い合いになっているため、砲弾やミサイルの納期は現在3年~6年に設定されている。

イタリアはウクライナ支援で弾薬不足、全ての国が備蓄を増やすため競争中

出典:U.S. Army photo by Sgt. Victor Everhart, Jr.

この問題について伊コリエーレ・デラ・セラ紙は「米国に緊急調達を打診したもの『長い列の最後尾に並ぶ必要がある』と回答された。大規模戦争の再発で戦い方も20世紀に逆戻りし、全ての国が弾薬備蓄を増やすため競争を強いられている」と報じており、限られた供給量の弾薬(原材料を含む)を多くの国が奪い合っている格好だ。

2度の世界大戦から学んだ人類は「何十万人もの人的被害を許容する大規模戦争は二度と起こらない」と信じてきたが、再び勃発したウクライナとロシアの大規模戦争は「人的被害を許容した国を屈服させるに大量の火力が必要」という現実を突きつけ、火力の質を担保する「高価で複雑な精密誘導兵器」と火力の量を担保する「安価で量産しやすい武器」のバランスを見直すきっかけになるかもしれない。

イタリアはウクライナ支援で弾薬不足、全ての国が備蓄を増やすため競争中

出典:Сухопутні війська ЗС України

この問題は視点を変えることで別の見方も出来るが、質と量の問題は戦場の環境次第で最適解が異なるため「絶対的な答え」は多分見つからないし、戦争リスクが高まっている状況では誰もが防衛産業界への投資に理解を示すものの、再びリスクが遠のけば資金の無駄使いと批判されるため「生産能力を維持していくため安定した発注量」を維持するもの中々難しい課題だ。

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※アイキャッチ画像の出典:Italian Army/CC BY 2.5

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