ロシア、ウクライナ軍の前進を否定 東部の前線

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ロシア、ウクライナ軍の前進を否定 東部の前線

ロシア、ウクライナ軍の前進を否定 東部の前線

ロシア国防省は11日、ウクライナ東部の前線にウクライナ兵が進んだとする、親ロシア派による報告を否定した。

ロシアの雇い兵会社「ワグネル」代表のエフゲニー・プリゴジン氏は、ロシア正規軍が東部バフムート周辺の拠点を放棄したと非難した。

ロシアの軍事ブロガーらは、いくつかの地域で11日、ウクライナ軍の前進や部隊の移動があったと伝えた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10日、反攻の開始は時期尚早だと、「ユーロヴィジョン・ニュース」加盟のBBCなど公共放送局のインタビューで述べた。

ゼレンスキー氏は、「(手持ちの兵器でも)前進し成功できると思う」と説明。「しかし多くの人を失うことになる。それは受け入れられないと思う。だから待つ必要がある。まだもう少し時間が必要だ」と話した。

予想されているウクライナの反転攻勢は、同国における戦争の行方を決する可能性がある。ここ数カ月間、変化が見られない戦線を引き直すことも考えられる。ウクライナは西側から兵器や装備を供与されており、それらが戦場で大きな成果を出せると証明できるかの重要な試金石にもなる。

ロシア国防省は声明で、「前線のいくつかの地点で『突破』があったと、テレグラムで個々に宣言されているが、現実と一致しない」と主張。

「特別軍事作戦実施区域の全般状況は、統制できている」と付け加えた。

一方、プリゴジン氏は、何カ月も激戦の中心となり破壊された都市バフムートについて、その「側面」での状況が「予想された最悪のシナリオに沿って進展している」と説明。

「戦友の血と命を犠牲に、1日に何十、何百メートルかを守りながら何カ月も制圧してきた領土が今、側面を守るべき人たちによって、実質的に戦いもせずに放棄されている」と述べた。

親ロシア派のロシア人戦場記者サーシャ・コッツ氏は、広く予想されてきたウクライナの反攻が始まったと伝えた。

同氏は「信頼できる」情報源の話として、ウクライナ軍の戦車がハルキウの環状道路をロシアとの国境に向けて進んでいるとした。この報告は独立した検証ができていない。

コッツ氏はまた、「車列の中には西側の(戦車)モデルなどを積んだ低荷台運搬車がある」と説明。

「言い換えれば、ウクライナはアルチョモフスク(バフムート)の側面での攻撃開始と並行し、北部戦線の状況を悪化させることを決定した」とした。

別のロシア人戦場記者、アレクサンデル・シモノフ氏は、ウクライナ軍がバフムート近郊のボーダニフカ村の近くを突破し、「数平方キロメートル」の土地を確保したとテレグラムに書いた。

ウクライナの軍事アナリスト、オレクサンドル・ムシヴェンコ氏は、予想される反攻が必ずしも「すべての占領地で」ロシアを打ち負かすわけではないと、ウクライナは分かっていると述べた。

同氏はウクライナのラジオNVで、戦争が来年まで続く可能性は十分にあるとし、次のように話した。

「すべては戦闘がどう展開するかにかかっている。反攻がどう展開するかは保証できない」

■ウクライナ軍が地ならしの攻撃か

米軍幹部はCNNに対し、ウクライナ軍が大規模な反攻に備え、敵の武器庫や司令部、装甲・砲兵システムなどを攻撃し、前進部隊の地ならしをしていると話した。

ウクライナが昨年春に南部と北東部で実施した反転攻勢でも、戦場を「整える」ための空からの攻撃が先行した。

しかしそうした作戦は、計画されている攻勢の開始前に何日もかけて行われる可能性があると、CNNは米軍幹部の話として伝えた。

西側当局は、バフムートでのロシア部隊の死傷者を2万~3万人と推定している。ウクライナ軍も大きな犠牲を払っている。

ロシア国防省はまた、ロシア側が11日、ウクライナ軍のいくつかの攻撃を阻止したとした。東部ドネツク州マリニフカ付近で続いている戦闘については、空軍と砲兵隊が関わっていると説明した。

昨年2月24日にロシアがウクライナに侵攻して以来、数千人の市民や戦闘員が死傷し、都市や町が戦闘で破壊されている。ウクライナ人約820万人がヨーロッパで難民として登録され、うち280万人はロシアにいる。

(英語記事 Russia denies advances by Ukrainian forces)

(c) BBC News

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