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岸田首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件は、警察庁が1日公表した報告書で、詳しい状況が明らかになった。容疑者が現場の漁港に到着してから爆発物を投げ込むまで約9分。首相は緊急退避し、車に乗り込む瞬間に爆発が起きていた。
入れ替わるように
4月15日午前11時過ぎ。和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港に設けられた会場は、首相の演説を待つ約200人の聴衆でいっぱいになっていた。
(写真:読売新聞)
「久しぶり」。コーン標識とバーで囲まれた「聴衆エリア」前では、主催者側であることを示す青色のリボンを付けた漁協スタッフが、訪れた顔見知りとあいさつを交わしていた。
午前11時17分。首相が車で到着し、漁港内へ。1分後、黒色パーカ姿の若い男が歩いて会場に現れた。リュックサックを背負い、紫色の手提げカバンを手にしている。木村隆二容疑者(24)だった。
木村容疑者はしばらく手前の事務所付近に立っていたが、まもなくすると聴衆エリアに近づいた。近くにいた3人の聴衆が出入り口から入った後、外に出る人と入れ替わるようにエリア内に侵入した。
付近には、関係者以外の出入りをチェックするはずの漁協スタッフと、警察の警護員がいたが、いずれも木村容疑者の動きに注意を払っておらず、素通りだった。
防護カバン広げ
首相は近くのいけすの前の試食コーナーに到着した。特産のアシアカエビを口にした後、歩いて演説台の近くに向かった。演説の開始が近づき、聴衆エリア内に集まった人々は、候補者と話をする首相の姿をスマートフォンで撮影していた。
木村容疑者は、混み合う聴衆エリアを前まで進んでいた。11時27分、首相の場所まで約10メートルの距離に近づくと、数秒間、手元に視線を落とし、右手で筒状の物体を投げ込んだ。
首相から約1・4メートルの位置にいた警護員は、聴衆の頭上を越えて何かが飛んでくることに気づいた。地面に落下し、転がってきた物体は煙を上げて火花が散り、オレンジ色の光が点滅しているように見えた。投入から2秒後、警護員はとっさに防護カバンで物体を防ぎ、左足で蹴ると、「退避!」と叫んだ。
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