市川猿之助の所属事務所vs松竹 “責任なすりつけあい”の裏側…映画「緊急取調室」公開延期で


市川猿之助の所属事務所vs松竹 “責任なすりつけあい”の裏側…映画「緊急取調室」公開延期で

市川猿之助(C)日刊ゲンダイ

猿之助を苦しめた「澤瀉屋」の呪縛 家族会議までに至った“梨園の異端児”の歴史的背景

「テレビ朝日が放送した人気ドラマの映画化ですが、猿之助さんは主人公の天海さんと対決する総理大臣役で出演。ドラマの見せ場となる”取り調べシーン”があることなどからも、あまりに生々し過ぎるという声もあり、予定通りの公開は厳しかったのでしょうね……」(映画関係者)

 同作については、5月30日に行われたテレ朝の定例社長会見でも、

「製作委員会でも協議しておりますが、事実関係を確認できていませんので、公開についてはお答えできません」

 と、予定通りの公開については“含み”を持たせていた。いまだ事件については警察から正式発表はないが、公開2週間前というギリギリのタイムリミットで決断した格好だ。

■今後は莫大な違約金が発生する可能性も

「スポーツ紙などでは、映画製作費は10億~15億円、興行収入は25億~30億円を見込んでいたと報じられました。現状は“公開延期”なので違約金などは発生しないでしょうが、完全に中止が決定すれば、猿之助さんに対し莫大な請求が行く可能性が出てきます。製作費の一部だとしても、数億円単位にはなるでしょうね」(映画関係者)

 そもそも、事件のきっかけの一つといわれているのが、「女性セブン」で報じられたハラスメント報道だが、猿之助の所属事務所は、

《今まで猿之助に関わった複数のマネジャーに聞き取りをしましたところ、弊社管轄の現場において、そのような事実は現在出てきておりません》

 と真っ向から否定している。だが、この対応にクビをひねる芸能プロ関係者もいる。

「猿之助さんの場合、歌舞伎に関しては松竹が仕切っており、それ以外のことを所属事務所がマネジメントするという形です。現在、松竹はハラスメントについては“調査中”とコメントしていますから、そこは双方、足並みをそろえるのが普通なんでしょうが……」

 松竹が“調査中”にもかかわらず所属事務所が先んじて結論を発表するのには、確かに違和感がある。

「実は事件が発覚してすぐに、松竹は猿之助さんと“雇用関係にない”とわざわざコメントしているんです。確かに勧進元と役者の関係ですから、“雇用”関係はもちろん、“所属”とも違うのかもしれません。ですが歌舞伎役者として活躍してきた猿之助さんに、あまりにも松竹が突き放したような言い方だったのは驚きましたね」(女性誌記者)

 先んじて“ハラスメント”を否定した所属事務所。“雇用関係にない”と強調した松竹。発言のウラには、それぞれの深謀遠慮があるようで……。

「猿之助さんの捜査に関しては予断を許さない状況です。『緊急取調室』はまだ延期段階ですが、7月8、9日に三越劇場で予定されていた猿之助さん監修の歌舞伎舞踊公演『夢見る力』と『市川猿之助写真展』は中止が発表されました。もし“お蔵入り”となれば映画を含め、舞台など大きな違約金が発生する可能性があります。だから、松竹も所属事務所も今から“責任のなすりつけあい”に躍起なのでしょうね」(前出・芸能プロ関係者)

 派手な芸能界だが、ひと皮むけばドロドロした思惑が渦巻いているようだ……。



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