武田鉄矢氏、高市早苗氏を「卑弥呼」に例え物議:その発言の背景と反響

タレントの武田鉄矢氏が10月22日放送のフジテレビ系『サン! シャイン』において、高市早苗氏を日本の憲政史上初の女性首相として「卑弥呼」に例えて語ったことが、各方面で大きな話題を呼んでいる。この発言はSNSを中心に賛否両論を巻き起こし、武田氏の独特な表現スタイルに対する注目が再び集まっている。

高市氏への「卑弥呼」発言、その詳細と司会者の反応

番組中、司会の谷原章介氏が高市氏の首相選出について武田氏に感想を求めると、武田氏は21日の中継を見て涙したと告白。「長い長い極東の島国ニッポンで、女性が先頭に立つっていうのは非常時の表れですよね?」と切り出し、続けて「女性が立ったほうが危機的なピンチっていうのは日本の歴史の中で何度も乗り越えてきてるんですよ」と持論を展開した。その具体例として「卑弥呼もそうですよね」と、日本の古代史における伝説的な女王の名を挙げたのである。

谷原氏はこれに対し、「最高神の天照大神も女性ですし」と同意の意を示すと、武田氏は「そうなんですよ!そこから始まったんですから!」と強く共感。高市氏の選出時には思わず手を合わせて祈ったと明かし、「私にとっては信仰の対象みたいなもの」とまで言い切るほどの熱弁をふるった。佐々木恭子アナウンサーは、武田氏の発言を「ここから始まるというね……」と苦笑交じりに受け止めつつ、「歴史が動いた感覚になった方も多かったと思います」とフォローした。

「サン!シャイン」で高市早苗氏について語る武田鉄矢氏「サン!シャイン」で高市早苗氏について語る武田鉄矢氏

ネットでの反響と武田氏の「たとえ癖」

武田氏の一連の発言に対し、インターネット上では様々な声が上がっている。特に目立ったのは、「まだ何もしてないのに神様扱いする信者たち怖い」「サンシャインを見ない理由が詰まってる 気持ち悪い」「金八、終わってんな」といった、彼の発言を「気持ち悪い」と感じたり、過剰な「信仰」と捉えたりする批判的なコメントである。

しかし、武田氏のこのような独特な「たとえ話」の癖は、今回に始まったことではない。過去にも様々な場面で視聴者を困惑させてきた経緯がある。例えば、4月の同番組では、視聴者からの「夫と一緒のお墓に入りたくない」という悩みに際し、お墓をなぜか「古墳」に例え、「前方後円墳!前方後円墳!」とハイテンションで連呼したことがある。また、5月には夫婦論を語る際に、自然界の生態を引き合いに出し、「あなたがもし鮭だったら、ふるさとの川に精子をバラまいて、あなたはもうとっくに死んでいます、50年前に」と熱弁をふるい、視聴者を大いに困惑させた。さらに10月には、沖縄・南城市長のセクハラ問題を論じる際に、政治を「駄菓子屋」に例え、「昔、駄菓子屋さんが2軒あって、片方の駄菓子屋さんは必ず、ちゃんとつかむやつで紙袋に入れてくれた。トングみたいなもので」「政治というのはまさしく、トングで駄菓子を紙袋に入れてお客に入れて渡すという職業じゃないかなぁ」と、一見奇妙とも思える持論を展開している。

コメンテーターとしての武田氏と番組側の意図

なぜ『サン! シャイン』は、このような武田氏をコメンテーターとして起用し続けているのだろうか。芸能プロ関係者は、その背景に不定期でコメンテーターとして出演していたフジテレビ系列の『ワイドナショー』の影響を指摘する。

『ワイドナショー』では、多少的外れな発言があったとしても、松本人志氏の巧みなツッコミもあり、「うんちくおじさん」的な愛すべきキャラクターとして収まることが多かった。しかし、『サン! シャイン』では「スペシャルキャスター」という肩書きで司会の隣に座るため、発言のズレが際立って見えてしまい、それが視聴者に違和感を与えているのではないかという見方がある。

武田氏は、3月の『ワイドナショー』最終回の出演時に、個人的に見たいニュース番組として、「ひとつのニュースを明日に向かって解説しないで、ひとつのニュースを過去に向かって歩き出す、そんなニュース番組があるとニュースをもっと楽しめる」と語っていた。今回の高市氏を卑弥呼にまで遡って語る姿勢は、まさに彼自身の「ニュース番組論」を体現しているかのようである。しかし、このスタイルがどれほど多くの視聴者に「楽しみ」を提供できているかは、その反響を見ても一考の余地がありそうだ。


参考文献:

  • Yahoo!ニュース (2025年10月23日) 「武田鉄矢が高市早苗を「卑弥呼」に例えネット騒然「気持ち悪い」過去の“たとえ癖”も振り返り」(Source link