鳥取の県立病院で臨床工学技士がカテーテル操作

鳥取県の県立病院で医師の資格がないにもかかわらず、臨床工学技士が患者の心臓に挿入された「カテーテル」という医療用の細い管の操作をしていたことが分かりました。

　鳥取県立中央病院は2019年10月から2020年3月までの半年間、不整脈の治療で臨床工学技士に心臓内に挿入するカテーテルの操作補助をさせていました。

　この治療を受けた可能性がある患者は9人で、これまでに健康被害は確認されていません。

　医師以外の医療行為は法律で禁止されていますが、臨床工学技士は2021年の法改正前まで「診療の補助として生命維持管理装置の操作を行うことを業とすることができる」とされていました。

　病院は当時、臨床工学技士の診療の範囲が明確化されていなかったことなどから違法な行為だという認識はなかったということです。

　また、治療に必要な医師が足りず人命を優先させたとしています。

　2020年3月、病院の顧問弁護士からの意見で操作の補助を取りやめたということです。

　病院は「9人の患者の方に不安を与えたことについては申し訳ない。安心、安全を最優先により慎重に進めていきたい」とコメントしています。