[ad_1]
無残な姿となった佐々木一匡さんのバイク(遺族提供)
「時速160キロも出して、制御できていないから事故が起きたのだと私は思うのに、検事さんは『衝突するまでは真っすぐ走れていて、制御できている』と。もう私の理解を超えているんです・・・」
困惑と静かな怒りを交えてそう語るのは、栃木・宇都宮市の佐々木多恵子さん(58)。
彼女の夫は一般道でバイクの運転中、時速160キロ以上で走ってきた乗用車に追突され死亡した。法定速度を100キロ以上も上回る異常なスピードだ。
だが、宇都宮地検が適用した罪名は「過失運転致死」。なぜ、最高刑がはるかに重い「危険運転致死罪」(最高で懲役20年)ではないのか、多恵子さんが検事に問いただしたときのやりとりが冒頭の言葉である。
「どんなスピードであっても、真っすぐ走れていれば『進行を制御することが困難な高速度』には当たらない・・・」
このような理屈で検察が、危険運転致死罪の適用を見送った事案は、去年も起きていた。
大分市内の一般道で、時速194キロの猛スピードで交差点に突っ込んだ乗用車が、右折していた車に激突、運転手を死亡させた事故である。
当初は同様に過失運転致死罪で起訴されたこの事案は、遺族による署名活動などを受けて検察が方針を転換し、危険運転致死罪へと訴因変更したのだった。
それから半年が経った、明日6月26日。
宇都宮の遺族が危険運転致死罪の適用などを求める署名を地検に提出する。
遺族の前に立ちはだかる「司法の壁」。
なぜ同じことが繰り返されてしまうのか。
無残な姿の夫のバイク 「とても私は許せない」
死亡した佐々木一匡さん
事故が起きたのは今年2月14日。バレンタインデーの夜だった。
2人での夕食を約束していたのに、夫・一匡(かずただ)さん(63)の帰りがあまりに遅い。
連絡も取れず、心配して探しに行こうとした多恵子さんが玄関を開けると、そこに警察官が立っていた。
「(一匡さんの)免許証を見て訪ねてきましたと。近くで事故にあって病院に運ばれたので、とりあえず病院に向かってくださいと言われました」
だが多恵子さんが病院に到着した時点で、一匡さんはすでに息を引き取っていた。
死因は多発外傷と胸部大動脈損傷。
後に多恵子さんが撮影した写真では、一匡さんのバイクがぐしゃぐしゃの無残な
姿になっていて、受けた衝撃の大きさを物語っている。
「ちゃんと法定速度を守っていた人に後ろから追突してきて・・・ものすごく無念だったんじゃないかと思うんですね、主人は。自宅から3分くらいの近くで事故にあって。そういう主人の思いを考えると、とても私は許せなくて」
[ad_2]
Source link