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「主人在宅ストレス症候群」について語る黒川順夫医師=大阪府豊中市
定年退職した夫との暮らしを契機に、夫婦の関係を考え直す妻がいます。夫との暮らしに心身の不調を訴える妻も。大阪府の医師はその不調を「主人在宅ストレス症候群」と名付け、見つめてきました。
【写真】退職後に気づいた夫の人柄 「本当に大っ嫌い」と叫んだ妻のあきらめ
「離婚してください」。大阪府の60代の女性は今年、夫に伝えた。
きっかけはささいなケンカだったと思うが、「お前は俺と同等と思うな!」という言葉に長年の不満が爆発した。
夫は定年を迎えたが、再雇用で働いている。まもなく2度目の「定年」がやってくる。夫婦の会話がないのに、夫の昼ご飯も作らないといけない「どん底の生活」が続くようになる。
■妻の我慢があったから・・・
母が亡くなった後、実家から帰ると夫が不機嫌だったことにも幻滅した。晩ご飯を作らなかったことに怒っていた。
友人たちは「夫には食べさせてもらってるんやから、我慢しないと」という。それは違うと思う。「妻の我慢があったからこそ、夫は定年まで働き続けられたんだ」
離婚するのか、夫婦を続けるのか。結論はまだ出ていない。
◇
「主人が退職して家にいるようになってから体調が悪くなった」
心療内科・内科医の黒川順夫(のぶお)さん(81)=大阪府豊中市=は女性患者たちの共通の訴えに気づいた。心身の不調に「主人在宅ストレス症候群」と名付け、学会で発表した。1991年のことだ。
■「症候群」発症の原因
患者は60歳代。「主人~」と名付けたのは、妻が夫のことを「主人」と呼ぶ世代だからこその症状だと思ったから。この世代の夫は亭主関白や男尊女卑の考え方を持ち、「妻はずっと家にいるものだ」と思い込んでいる人が比較的多いため、妻への束縛が発症の原因の一つだと考えた。
黒川さんは「30年たった今も、夫による妻の束縛はある」といい、中高年の夫たちに、妻が症候群にかからないための4カ条を説く。
(1)妻は夫に「あなたがいるから、うっとうしい」とは言いづらいことを理解する
(2)なるべく外出する
(3)妻の話をできるだけ聞く
(4)妻に食事の支度を命じない
「年齢を重ねるほど、夫婦間には適度な距離が必要だと感じています」(島脇健史)
朝日新聞社
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