アメリカはウクライナ軍の反転攻勢を支援するため、殺傷力の高いクラスター弾の供与を検討しています。
ウクライナ軍が反転攻勢を始めて1カ月が経ちましたが、ロシア軍の強固な防衛網を突破できず苦戦が続いていて、ロシア軍の塹壕(ざんごう)を効果的に攻撃するため、アメリカにクラスター弾の供与を求めています。
国防総省のライダー報道官は6日、クラスター弾の供与は検討中だと述べるにとどめましたが、アメリカメディアは国防総省が7日に発表するウクライナへの新たな軍事支援の中に、クラスター弾が含まれる見通しだと伝えています。
クラスター弾とは一つの爆弾の中に数百個もの爆弾が入った兵器で、殺傷力が高く、広い範囲を同時に攻撃することができます。
しかし、不発弾が多く、世界中で多くの民間人が犠牲になったことから、2008年のオスロ条約で製造や使用が禁止されました。
オスロ条約にはアメリカとウクライナは加盟していませんが、国際的な懸念を念頭に、国防総省のライダー報道官は不発弾率の高いタイプは検討の対象外だとしています。
また、実際にクラスター弾を供与するとなれば、オスロ条約に加盟する他のNATO(北大西洋条約機構)諸国の理解を得る必要があります。
なお、ロシアは去年2月の侵攻直後から、ウクライナでクラスター弾を使用しているとみられます。
テレビ朝日