北村弁護士、マイナンバーカードにチクリ「信頼している人は、よほどおめでたい」信頼できない理由を説明


北村弁護士、マイナンバーカードにチクリ「信頼している人は、よほどおめでたい」信頼できない理由を説明

北村晴男弁護士

 マイナンバーカードでは、同姓同名の別人にマイナンバーカードを交付して使用された事案や、障がい者手帳情報のひも付けミスなどのトラブルが続発。国民の不信感が高まり、カードの自主返納が相次いでいる。一方、政府は、来年秋に健康保険証を廃止してマイナカードに一本化する「マイナ保険証」の方針を堅持すると改めて強調している。

 マイナンバーカードに対し、視聴者から「不信感しかない。このように個人情報が漏洩し兼ねないものを作った方がいいのでしょうか?」という質問が寄せられ、北村氏は「一般企業では、企業が倒産するほどの間違いですね」とため息。「これは役所なので、倒産して全員失業ということがない。いくら反省を促しても、反省しないと思います。厚労省の役人というのは」と、役所側に危機感がないと分析した。

 トラブルが発覚するたびに「それぞれ言い訳をされてます」といい、「これ、不信感しかない。その通りですね。厚労省を信頼する人は、よほどおめでたいんだなと、僕は思います」とチクリ。厚労省については、過去に「優生保護法による優生手術(不妊手術)問題」「年金記録の管理がずさんだった『年金記録問題』」「非加熱血液製剤の投与による『薬害エイズ訴訟』」「ハンセン病患者の強制隔離」「集団予防接種によるB型肝炎訴訟」など、過去に訴訟となった問題について一つずつ説明し「厚労省というのは、人の命とか、健康とか、一切今まで考えたことがないのではと僕は思っています。極端な言い方に聞こえるかもしれませんが、本気で国民の健康とか生命や人権のことを考えていれば、こんなことを立て続けにできるはずがないんですよ」と指摘した。

 その上で、マイナンバーカードの相次ぐトラブルについて「こんなことが民間企業でたびたびあれば、完全に倒産ですよ。それくらい、民間企業や、法律事務所もそうです。法律事務所も、こんな間違いを犯していたら完全につぶれます。そういう危機感の中で、全ての企業は必至になって、ミスを起こさないように、二重三重のケアをしながらやっている。ちょっとでもミスがあったら、二度とそのようなことが起こらないように真剣になって対応する。そうでなかったら、飯食えませんから」と、一般企業ならばとっくに倒産していると指摘。「ところが、今回の厚労省の対応というのは、凄いですよ。去年の11月までに7000件の誤登録があったのに、今年の5月23日、ようやく全国の健康保険組合に、総点検・報告を求める。何やってんだ、危機感ゼロ」とあきれたように語った。

 北村氏は「なぜここまで言うかというと、年金記録の管理のずさんさが発覚したとき、それと直接の関係が何もない第一次安倍内閣が、これでかなり危機に陥りましたよね。大変な非難、バッシングを受けました。自民党もいけないところは山のようにありましたけど、役所からすると、政治家がどうなろうと、政権交代がなされようと、彼らにとっては関係ないんですね。役所自体が存続して、利権が確保できればいい。危機感ゼロすぎるでしょう」と、最後まで危機感のなさを強調していた。



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