熱が冷めつつあるウクライナ人、力ずくで動員対象者を連れ去る行為が横行

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ウクライナ軍は「力ずくで動員対象者を連れ去る問題」について改善を約束したものの再び違法動員が発覚、動員対象者の住宅に違法に侵入して「足をへし折るぞ」と脅迫したり、取り押さえた動員対象者に暴行を加える行為が問題化している。

忖度なしに言えばウクライナの街頭動員はロシアの街頭動員と本当に良く似ている

平時におけるウクライナ軍の戦力規模は約30万人で、18歳以上から27歳未満までの国民には憲法65条によって兵役義務が課せられており、徴兵年齢に達した国民は登録した居住地域の軍事委員会を通じて軍に送られる(春と秋の2回)ことになるのだが、ロシア軍の侵攻を受けてゼレンスキー大統領が「総動員に関する法令」に署名したため通常プロセスの徴兵は取り消され「登録済みの予備役」と「18歳以上から60歳未満までの全国民」を強制動員することが可能になった。

熱が冷めつつあるウクライナ人、力ずくで動員対象者を連れ去る行為が横行

出典:PRESIDENT OF UKRAINE 侵攻直後のゼレンスキー大統領

動員によってウクライナの戦力規模は「約100万人に到達した(昨年7月)」と明かしているため、3月から7月の約4ヶ月間で70万人ほど動員したという計算(あくまで動員しただけで訓練は別問題)になり、レズニコフ国防相は「一般人の追加動員は今のところ必要なく軍が要求する専門技術を有した人々のみ招集が続いている」と述べていたものの、ソレダルを巡る戦いでウクライナ軍は大きな損失を被った可能性が非常に高く、ゼレンスキー大統領は今年1月「追加の予備戦力を確保するよう軍に指示した」と発表したため一般動員が再開されたと考えるのが妥当だろう。

強制動員の対象者と動員順位は「①:2014年以降の戦闘経験のある40歳未満の予備役」「②:2014年以前に兵役を満了した者もしくは退役済みの職業軍人」「③:大学の軍事訓練過程を卒業して未招集の者」「④:身体的制限のない兵役対象年齢の18歳から60歳までの国民」の4段階に別れ、公的予備役と呼ばれる④が一般動員(全面戦争のシナリオのみ適用される)と呼ばれているのだが、この対象者を軍が力ずくで連れ去っていくことが問題になっている。

この問題は侵攻初期から報告されていたものの今年2月に表面化、オデーサ市内で動員対象者を力ずくで連行する様子が多くの市民に目撃され、動画もTelegramで拡散してしまったため、ウクライナ軍も事件が事実であると認めて「動員に関わる軍人には弁護士や心理士を交えた追加研修を実施する」と改善を約束したが再び違法動員が発覚。

フメリニツキー州では軍の担当者が許可もなく動員対象者の住宅に侵入、これに抗議すると「自分にはその権利がある」と主張したが、軍の担当者に「動員通知のためなら憲法30条(住居の不可侵)を無視してもよい」という権限は与えられておらず、動員対象者が住宅から出ていくよう要求すると「足をへし折るぞ」と脅迫する様子が収められた動画が流出。

ドニプロペトロウシク州では軍人5人が動員対象者を公共の場で追いかけ回し「(逃げる動員対象者の)足を撃て」と叫び、さらに取り押さえた動員対象者を囲んで暴行を加える様子が市民に目撃され、この様子を収めた動画も流出し、弁護士は動員対象者に「違法な軍の連れ去り行為から身を守るため動員通知の過程を動画で記録し、もし困難な状況に直面したら検事総長、国防省、参謀本部に軍の犯罪行為を報告しろ」と忠告しているのが興味深い。

現地メディアが取り上げた連れ去り事件については軍も「調査する」と約束しているが、この問題の根本的な原因はロシアとの戦いに対する熱が冷めつつあるという点で、ウクライナ軍のグメニュク報道官も2月「前線部隊に休息を与えるためにはローテーションを行わねばならず、新たな動員が必要とされているものの動員対象者の間で(ロシア軍との戦いに参加するという)熱意が冷めつつある。我が国の動員は高い市民意識に依存しているが、動員に応じない対象者も多く、動員計画と法律には矛盾も存在するため必要な人員の確保が難しくなっている」と述べたことがある。

熱が冷めつつあるウクライナ人、力ずくで動員対象者を連れ去る行為が横行

出典:Zelenskiy Official

戦争の長期化で人々の熱が冷めるのは特に珍しい話ではないため「ウクライナが苦しくなっている」のではなく、程度の差があったとしても「ウクライナとロシアは同じような問題に直面して苦しんでいる」と考えるのが妥当で、もし一方だけ苦しくなっているならこの戦争は既に終わっているはずだ。

因みに動員対象者に対する通知は法律によって「直接通知(旧ソ連時代のやり方)」が義務付けられており、この通知を受け取らない限り対象者は動員に応じる義務がなく、そのためウクライナ軍は居場所が分からない動員対象者を見つけるため、主要都市に検問所を設けて動員対象者のあぶり出しを行っている。

政府は「検問所の場所」をバラす行為を法律で禁止しているのだが、オデーサ市内の検問所を撮影した市民に軍人が暴行を加える様子が公開され問題になっており、軍は「IDや逃亡者データベースを確認中、当該市民から挑発を受けて感情を抑えることができず、力ずくで車輌に連れ込み連行してしまったが権限を越えた行為だった」と謝罪したものの「残忍な街頭動員だ」と批判されており、忖度なしに言えばウクライナの街頭動員はロシアの街頭動員と本当に良く似ている。

ウクライナ軍が動員対象者を力ずくで連行、追加動員が始まっている可能性
ウクライナ軍、動員の必要性があるもの人々の熱意が冷めつつある
兵士の逃亡に悩むウクライナ軍、原因は約束した交代が守られていないため

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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