「中国一の金持ち村」破綻 赤字公営企業、20円で売却 江蘇省

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「中国一の金持ち村」破綻 赤字公営企業、20円で売却 江蘇省

「中国一の金持ち村」で知られた江蘇省無錫市の華西村=2021年5月(AFP時事)

【写真特集】中国一の金持ち村

 経済を支える村営企業が巨額負債を抱えて行き詰まり、株式の8割がわずか1元(約20円)で投資会社に売却された。

 経営破綻したのは、同省無錫市華西村の複合企業「華西集団」。借金返済の負担が深刻な財政悪化をもたらしたことから、人口3万人ほどのこの村の委員会は自力での事業継続を断念した。

 華西村はかつては貧しい農村だったが、食品や金属加工など村ぐるみの企業経営に乗り出し、工業化に成功。共産党の改革・開放政策の下で事業を拡大した。1990年代には数十社から成る華西集団に成長し、巨万の富で村の財政は潤った。

 村民には豪華な一戸建て住宅とマイカーが支給されるなど、村の生活水準は飛躍的に向上した。かつて農地が広がっていた村には72階建ての超高層ホテルが建設され、中央政府も「モデル農村」と称賛。「中国一裕福な村」として国民の羨望(せんぼう)を集めた。

 しかし、2010年代以降、国内各地で経済が発展したことで村の産業は優位性を失った。金融や石油化学、海運などにも進出したが、いずれも振るわず、過剰投資で負債は4000億元(約8兆円)に膨らんだ。近年は債務危機のうわさが絶えず、華西集団が販売した金融商品を巡り、取り付け騒ぎも起きていた。 

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