ザポリージャ原子力発電所=ロイター
【ベルリン=中西賢司】国際原子力機関(IAEA)は29日、ロシアが掌握するウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所4号機について、原子炉が100度を上回る高温での停止状態に移行したと発表した。ウクライナ側は原子力災害のリスクを下げるため、100度以下の「冷温停止」に戻すよう要求している。
【動画】ウクライナのザポリージャ原発に攻撃、火災…着弾の映像(2022年3月4日公開)
(写真:読売新聞)
IAEAの発表では、ロシア側は排水処理に使う蒸気を発生させる目的で、原子炉を高温に保つ措置を取っている。IAEAは、ボイラーを設置するように働きかけているという。
同原発では、ロシア軍とウクライナ軍との戦闘で原子炉の冷却に必要な外部電源や冷却水の確保が不安定な状況が続いている。ウクライナ当局は、原子炉6基すべてを「冷温停止」とするよう求めている。