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去年2月のウクライナ侵攻以降、ロシアから国外へ移住した人が100万人を超えたという。
これは1917年のロシア革命後の人口流出に匹敵する。多くはカザフスタン、キルギス、アルメニア、ジョージア、セルビア、モンテネグロといったかつて連邦を構成した近隣国や東欧の国々だが、トルコ、イスラエル、さらに遠方の国々にも渡っている。果たしてどんな人たちが何を求めて国を去るのか…。人材が流出するロシア。その一方、人材が流入している“ロシア”もあるという。
流出を助ける側、そして流入する側…ドローンでモスクワを狙う集団にも単独インタビューした。
【写真を見る】有能な人材が消えるロシア 増えていたのはモスクワをドローンで狙う軍団【報道1930】
■「まさにロシアの将来が逃げて行ってしまうという状況」
まずは流出する側。インタビューに応じた男性は現在ジョージアに住む。ロシアには今起きていることを支持しない人が大勢いて、国外に移住することは“支持していない”という意思を見せる行動のひとつだと彼はいう。
ITエンジニア ニキータ・クリコフさん
「例えばもし私がロシアに住み続けていたら、Google、Netflix、Facebookといった大手企業で仕事ができなくなる。移住先についていくつかの選択肢があったが、ビザ無しで行けるジョージアを選んだ。(中略)私にできる貢献として(ロシアの若者がITスキルを高められるような)教育に力を入れている。高いスキルを持つ人が増えるほど金銭的な面も含め、意思決定できる人が増え(現状を支持しない)声は大きくなる。今回は100万人がロシアを出たが、もし1000万人とか2000万人が出たらどうなるのか。もしかしたらこれだけで何かを変えることが出来るかもしれない」
クリコフさんはロシアではロシア版のGoogleともいわれるヤンデックスに勤めていたこともあるITエリートだった。今は教育関係のアプリを開発し、ロシア国内の若者に高いスキルを持たせ、自分のような抵抗勢力を増やそうとしている。
元陸上自衛隊 東部方面総監 磯部晃一氏
「流出した100万人の中身が大切ですね。技術者、研究者、医師といった技能を持った人が出ている。これはロシアの今後を考えると技術革新とか経済的なイノベーションとかができなくなるんじゃないかって考えます。でもプーチンにしてみればロシアに忠誠を誓わない者は出て行ってもらっていいっていう感覚があるんじゃないかって気もしますけど…」