米ハワイ州マウイ島で102人の命を奪った大規模山火事から8日で2年が経過した。ハワイ史上最悪の自然災害となったこの火災で壊滅的被害を受けた島西部ラハイナは、がれき撤去が完了したものの、復興の目処は依然として立たず、かつての観光地の面影は失われたままだ。
マウイ島ラハイナの被災地で住宅再建が続く。復興の道のりの象徴。
復興誓うも観光低迷
ジョシュ・グリーン州知事は8日の追悼集会で「やるべきことは山積みだが、私たちは決して諦めない」と力強く復興を誓った。しかし、州観光局によると、今年前半にマウイ島を訪れた観光客は約127万人で、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年前半の水準(約152万人)には届いておらず、観光業の回復は鈍い。
賠償金支払いの遅延
昨年10月、当局は送電線からの引火が山火事の直接的な原因とする報告書をまとめた。ハワイ・パブリック・ラジオによると、これを受け1万人以上の原告が電力会社や州などを相手取り損害賠償を提訴。被告側は合計約40億ドル(約5910億円)もの巨額な和解金を用意しているものの、配分決定に時間がかかり、被災者への支払いは大幅に遅延している。
日系人社会の切実な声
ラハイナには多くの日系人が住む。本堂が全焼したラハイナ本願寺の僧侶、広中愛さん(48)は「和解金が支払われない限り、街全体の復興も進まないだろう」と漏らした。コミュニティの再建は、経済的支援の滞りなく実施されるかにかかっている。
復興への展望
マウイ島の復興は巨額の資金と多くの人々の粘り強い努力を要する難題だが、公正な賠償の実現と継続的な支援が、真の再建への鍵となるだろう。
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