今年1月、テレビ東京の人気番組『家、ついて行ってイイですか?』に、父親のうるるさんと共に登場し、そのド派手な“原宿系デコラファッション”で一躍注目を集めたいちかさん(当時小学6年生、12歳)。放送直後からSNSで大きな話題を呼び、その個性的なスタイルと、デコラ姿での登校、そして両親が度々学校に呼び出された過去などが報じられ、多くの人々の関心を惹きつけました。彼女のユニークな小学校生活のクライマックス、卒業アルバム写真と「伝説」と語られる卒業式の舞台裏に迫ります。
記事公開後の反響と現在の心境
前回のインタビューから半年が経過したいちかさんを再び訪ねたところ、その反響の大きさに驚かされました。彼女は「記事が出たあと学校で『ネットでニュースになってたね』と言われたり、街を歩いていると『あの子だ』と言われることが増えました」と、有名人としての変化を明かしました。自身の知名度向上は嬉しい反面、「パパに知らない人からSNSでDMが来たり、外で若い女の人に声をかけられて写真を撮ったりしている姿を見ると、イラッとしますね」と、父親へのやきもちを覗かせる可愛らしい一面も見せてくれました。中学生となった今も、その個性は健在です。
伝説の卒業アルバム写真:学校との「攻防戦」
以前のインタビューで「卒業アルバムや卒業式はいろいろな作戦を練っている」と話していたいちかさん。その言葉通り、彼女の卒業アルバム写真は地元で「伝説」となりました。父親のうるるさんが明かした戦略は、まさに学校側との知恵比べでした。「卒業アルバムって、学校の撮影日が決まっているじゃないですか。実は1度目の撮影ができなかった生徒たちのために2度目の予備日があるんですよ。最初の撮影にいちかがデコラ姿で行って何も言われずに撮ったと聞いたので、多分、学校の先生は『次の日はいちかがすっぴんでくるから、そのときに撮ればいい』と考えたと思うんです」と、その背景を説明しました。
翌日、いちかさんは学校を休み、案の定、学校の先生から「卒業アルバムの写真が……」と電話がかかってきたといいます。うるるさんは「もう前に撮ったので今日はお休みしますと告げました。すると、先生が『どうにかなりませんか』って、いや反対にどうにかなりませんかって話して、完成したのがあの卒業アルバムです」と、鮮やかな青とピンク色のカラフルな地毛にド派手なメイク顔という、強烈なインパクトを放つ一枚が生まれた経緯を語りました。この写真は、まさに彼女の個性を象徴する、記憶に残る一枚となりました。
原宿デコラファッションを纏い、鮮やかな個性を見せる小学6年生のいちかさん
前代未聞の卒業式:学校側の「警戒」
卒業式に関しても、いちかさんは独自のビジョンを持っていました。「ずっと前から派手にしたいと思っていて、背中に羽を付けて憧れの『X JAPAN』みたいにしようかなとかと考えていたんですけど。時間が足りませんでした」と、その壮大な構想を語りました。しかし、彼女の動きは学校側にも察知されていたようです。「なんとなく、私が卒業式に備えて何か準備しているという雰囲気が学校に勘付かれてしまったようで、誰とは書いていないんですが、事前に配布されたプリントに『派手な服装や、ヘアピンとかいらない』『式に見合った格好で』みたいなことが太字で描かれていました」と、学校側が異例の「警戒」態勢に入っていたことを明かしました。
結論
いちかさんの小学校卒業にまつわるエピソードは、単なる奇抜な出来事としてだけでなく、自己表現の自由と学校という組織のルールとの間の興味深い衝突として語られます。彼女は自身の信念と個性を貫き通し、記憶に残る卒業アルバム写真や、学校側が異例の対応を取るほどの卒業式を創り上げました。これは、一人の少女がいかにして社会規範の中で自身のアイデンティティを確立しようとしたかを示す、現代日本の学校文化における一つの象徴的な事例と言えるでしょう。彼女の「ぶっ飛び卒業式」の全貌は、まさに伝説として語り継がれることになりそうです。
参考文献:
- NEWSポストセブン
- テレビ東京『家、ついて行ってイイですか?』