ハワイ出身スター俳優モモアさん、今のマウイに「観光で行かないで」


ハワイ出身スター俳優モモアさん、今のマウイに「観光で行かないで」

ハワイ出身スター俳優モモアさん、今のマウイに「観光で行かないで」

米ハワイ州マウイ島が大規模な山火事の被害に見舞われたことを受けて、同州出身の人気俳優のジェイソン・モモアさん(44)は、今のマウイは「バカンスで行く場所じゃない」とインスタグラムで訴えかけた。一方、地元住民は、悲劇の真っただ中で複数の観光客が何事もなかったかのように遊んでいると批判している。

映画「アクアマン」などの役で人気のモモアさんは12日、インスタグラムで、「マウイに旅行で行かないで」と題した動画と共に、「マウイはいま観光で行く場所じゃない。マウイに旅行しないで。いま深く苦しんでいる島に、あなたの存在が必要だなんて思いこまないで」と呼びかけた。

続けてモモアさんは、「寄付してくれて、この大変な時にコミュニティーにアロハ(愛情や思いやり)を示してくれた全員に、マハロ(ありがとう)」と書いた。

モモアさんはさらに、ハワイの地域社会は「傷をいやし、悲しみ、回復するための時間が必要だ」と書き、「それには、非常に乏しくなってしまった生活必需品を消費する旅行客が少ない方がいい」とも指摘した。

ハワイ州によると13日までに確認された死者数は93人に上る。ハワイ州のジョシュ・グリーン知事は12日、死者数は「大幅に」増える恐れがあると話した。

こうした状況の中、マウイ島の住民らは、島のビーチで観光客が海水浴を楽しむ光景にぞっとしていると口々に話している。マウイ島に住む女性はBBCの取材に対し、「私たちの仲間が3日前に死んだばかりの同じ海の中で、その翌日に旅行者が、観光客が泳いでいた。その人たちの心と気持ちが今どうなっていて、私たちの心と気持ちが今どうなっているか、そのことからもよくわかると思う」と述べた。

この女性は、現在のような悲劇的な状況で「泳いだり、素潜りしたり、波乗り」するようなハワイの人間はいないと強調。「この悲劇の中で楽しく遊んで、何事もなかったのように普段通りの生活を続けている人など(住民には)いない」と話した。

「今では、二つのハワイがある。私たちが暮らすハワイと、そういう人たちがいる、そういう人たちが訪れているハワイだ」

地元当局は、不要不急の旅行でマウイ島を訪れている観光客には島を離れるよう要請しており、マウイ島への観光旅行を予定している人には中止するよう求めている。

ただし、観光収入の減少はハワイ経済に大きな打撃を与えることになる。ハワイ観光局(HTA)の2019年統計では、民間資本の収入源としては観光業が最大だった。同年にハワイ州を訪れた旅行者1040万人が州内で使った金額は180億ドル(約2兆6000億円)に上り、そのうち3割がマウイ島で使われた。

マウイ経済開発委員会は、観光の経済効果をさらに大きく計算しており、マウイ島内で発生する収入の約80%が直接・間接的に、観光に由来しているとしている。

8日に始まった森林火災は、乾燥した空気と近くを通過するハリケーンの強風にあおられ、燃え広がった。今ではほとんどが鎮圧されているものの、マウイ島の各地で完全に鎮火するための消火活動は続いている。

アメリカで記録されている山火事としては、2018年にカリフォルニア州で少なくとも85人が死亡した「キャンプ・ファイア」火災がこれまで最悪とされてきたが、今回の火災の死者数はそれを上回る規模となった。

(英語記事 Hawaii fires: Jason Momoa warns tourists not to visit Maui)

(c) BBC News



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