中国当局、処理水放出に関するSNS発信を厳格管理 「心配不要」の投稿削除

中国政府が厳しい管理の下、処理水放出に関するSNS投稿を削除

中国国旗

中国の習近平政権は、東京電力福島第1原発の処理水を海洋に放出する計画が発表されたことに対し、強い非難を展開しています。しかしながら、中国の交流サイト(SNS)において、「処理水放出に心配はいらない」という投稿が削除されたと報じられています。このことから、中国政府は自身の主張に反する情報発信に対して厳格な管理を行っていることが伺えます。

中国のSNSでの情報発信が削除される

香港紙や明報などの報道によれば、中国の短文投稿サイトである微博(ウェイボ)には、欧州在住の中国人原子力専門家と思われるアカウントが存在し、日本の処理水放出に関して具体的なデータを用いて解説していました。このアカウントは、福島第1原発におけるトリチウムの放出上限が中国の原発の8倍であり、今回の処理水放出は心配するに値しないとの見解を示しました。しかし、その投稿はすぐに削除され、アカウントも封鎖されたとのことです。現在、そのアカウントは閲覧することができません。また、中国の通信アプリである微信(ウィーチャット)でも、国連機関や科学者の意見を引用した文章が削除されたと報じられています。

中国政府の公式見解とは異なる情報発信に神経をとがらせている

中国政府は、処理水放出に関して「データの真実性や正確性、海洋環境や人類の健康への安全性、無害性を証明していない」と主張しています。そのため、公式見解と異なる情報発信に対しては神経をとがらせていると考えられます。

中国のSNSでは、日本に対する蔑称である「小日本」という表現が使われることもあり、反日的なムードが強く現れています。しかし、これまでに反日デモなどは確認されていません。ただし、在中国日本大使館は在留邦人に対し、「外出する際には不必要に日本語を大きな声で話さないなど慎重な言動を心がける」よう注意を呼びかけています。

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