「期待に反した」学校の働き方改革に現役教員からの批判

緊急提言に対する教員の不満

中央教育審議会の特別部会は28日、教員の働き方の改善に向けて国や他の関係者が即座に取り組むべき「緊急提言」をまとめました。しかし、この提言に対して現役の教員たちが記者会見を行い、「期待していた内容と異なる」と批判しました。

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(左から)室橋祐貴・日本若者協議会代表理事、西村祐二・岐阜県立高校教諭、渡辺知和・横浜市立小学校副校長、広田照幸・日大教授、嶋崎量弁護士=2023年8月28日午後2時33分、文部科学省、高浜行人撮影

現役教員の意見

公立学校の教員給与特措法(給特法)について、残業代が支給されないことに抗議する「給特法のこれからを考える有志の会」の呼びかけ人や賛同者が記者会見を開きました。

岐阜県立高校の教諭である西村祐二さんは、緊急提言に予算が必要な対策として教員業務支援員や副校長マネジメント支援員の配置などが含まれていることについて「資金の充当は評価できる」としながらも、2019年に中教審が出した緊急提言のような学校が直ちに取り組めるような提案(例:タイムカードの導入)がなかったことに対し、「希望が持てないものだ」と述べました。

中教審が4年前に提言した「3分類」についても言及されました。それによると、教員の業務を学校以外が担うべき業務や教師が担う必要のない業務に分けて外部化するというものです。現在でも教員が担わなくてもいい業務がまだたくさん残っているとし、「奨学金の窓口業務やPTA会費の徴収など」と具体例を挙げながら指摘しました。

教育行政の問題

労働問題に詳しい嶋崎量弁護士は、「学校徴収金の徴収・管理」という「学校以外が担う」とされた業務について、自治体による非関与の方法が2022年度の文科省の調査で36.5%にとどまったことを指摘し、「4年以上経過しても達成されないのは、行政の怠慢です。緊急提言はこの反省を踏まえるべきだった」と批判しました。また、労働時間の制限を求めるために給特法の改正と残業代の支給を要求しました。

この記事は日本ニュース24時間から提供されました。日本ニュース24時間をご覧ください。

(朝日新聞社より転載)