米軍、2年以内に数千機のUAVを配備予定

圧倒的な量で中国に対抗

米国防総省は、中国の脅威に対抗するため、2年以内に数千機のUAVを実戦配備すると発表しました。この計画は「レプリケーター」と呼ばれ、イノベーションの正しい形として位置づけられます。

UAVの活用範囲が広がる

ウクライナとロシアは、UAVを大量に投入して戦場での情報収集や偵察、爆弾の投下などに活用しています。UAVの運用は以前は司令部や砲兵部隊の特権でしたが、現在はウクライナ軍全体が数千機のUAVを要求しています。

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出典:FEDOROV

米陸軍の取り組み

米陸軍はウクライナ侵攻前からUAVの効果を認識し、分隊レベルの情報収集と偵察能力を向上させるために、Skydio社のクワッドコプター「X2」をミリタリー仕様に改造しました。2025会計年度の第2四半期までに1,080機を調達予定で、2023年までに480機を納品する予定です。

U.S. Army photo by Spc. Casey Brumbach 手榴弾を搭載して空中投下するためのキットを取り付けたRQ-28A
出典:U.S. Army photo by Spc. Casey Brumbach

UAVの調達コスト

米陸軍がSkydio社と締結した契約額は9,980万ドルで、最終的な調達数は不明です。現時点では1機あたりの調達コストは322万ドル(約4.4億円)ですが、量産が進めばコストダウンが期待できます。

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出典:Командування Десантно-штурмових військ Збройних Сил України

量よりも質の重要性

戦争においては、量よりも供給の容易さが重要です。UAVの大量提供が求められる中、米国防総省は中国に対抗するために2年以内に数千機のUAVを実戦配備する計画を進めています。

UAV産業の未来展望

無人機の産業界では、高性能なUAVに注目する一方で、低コストの消耗型UAVを提供する企業も存在します。UAVの群制御技術の開発も進んでおり、数千機のUAVがあれば一機の高性能UAVよりも大きな影響力を持つ可能性があります。

このような展望を受けて、ロシアも段ボール製のUAVを投入し始めています。

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出典:Sypaq

まとめ

戦争においては、量が重要な要素となります。しかし、UAVがもたらす戦場での情報収集能力の拡大や戦略の革新など、質的な側面も見逃せません。