「736万円が消えた」事例で注意喚起:フィッシング被害が急増中!

実在銀行を装い、一瞬で悲劇は起こった

大切な資金、あっという間に失われる

被害者の一人、札幌市の30代サラリーマン男性

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金融機関を装ったフィッシングサイトによる不正送金被害が北海道内で増加しています。実在銀行と瓜二つのサイトに誘導される手口は、犯人グループの技術向上により、個人情報を入力するまでの驚くほどの違和感を感じさせないものとなっています。道警や金融庁は、メールの開封には注意し、個人情報を簡単に入力しないように呼びかけています。

札幌市の30代サラリーマン男性にとって、2023年5月30日は忘れられない日となりました。彼のもとに届いた1通のメールには、いつもお世話になっている銀行名が表示されていました。「お客さまのお取引を規制させていただきました」という件名に、彼は動揺しました。数分後、本物の銀行からのメールが届きます。「振り込みの受け付けが完了しました」という内容でした。彼の口座からは736万円が消え去り、残高はわずか200円にまで減っていました。

「頭が真っ白になりました。これで自分がやってしまったと思いました。それは住宅ローンの返済のために貯めていたお金でした」と彼は話しました。彼はすぐに妻に報告し、銀行と警察に連絡しました。幸いなことに、警察の協力のもと、全額が返金されることになりました。

彼は自身の経験から、「自分は大丈夫だ」と思い込んではいけないと学びました。「偽サイトの作りは非常に本物っぽく、だまされる可能性は誰にでもあると思いました」と彼は語りました。

被害は増加中、北海道だけでなく全国的にも

道警のまとめによると、2023年上半期のインターネットバンキングを利用した不正送金被害件数は76件、総額は約1億2200万円(時点:2023年8月29日)。昨年の1年間の被害件数20件、約4543万円をすでに大幅に上回りました。全国的にも増加傾向が見られ、2023年上半期の被害件数は過去最多の2322件(被害額約30億円)となりました。

道警サイバーセキュリティ対策本部の田中恭成管理官は、被害の増加要因について「だます側が、本物と見分けがつかない精巧なサイトを作れるようになったことが最も大きな要因です」と述べています。

フィッシングの手口は年々巧妙化しており、銀行の他にも定額サービスを提供する企業を装ったメールやSMSが送信されることもあります。

道警や金融庁は、以下の対策を呼びかけています:

  • SMSやメール内のリンクをクリックしない
  • サイトにID・パスワードや個人情報を入力しない
  • 携帯電話会社などが提供するセキュリティ設定を活用する

引用元: 日本ニュース24時間