家族としての思い出
姉としての存在感
静岡県牧之原市にある川崎幼稚園に通っていた3歳の河本千奈ちゃんが、通園バスの車内に取り残され、熱射病で亡くなった事件から1年が経とうとしています。この悲劇に至るまでの時間、千奈ちゃんは家族にとって「お姉さん」として重要な存在でした。
一番に優しさを示す
千奈ちゃんの妹が生まれたのは昨年6月のことです。退院後、初めて自宅に妹がやってきたとき、千奈ちゃんはまず母親のもとへ駆け寄り、抱っこしている妹の頭を優しく撫でました。
立派なお姉さんの誇り
妹と過ごした数か月の間、千奈ちゃんはミルクをあげる手伝いや、朝起きて一番に頭を撫でたりといった妹の世話をしました。「たった3歳なのに赤ちゃん返りもせず、立派なお姉さんとして振る舞ってくれたんです」と、千奈ちゃんの父親は振り返ります。
次女の成長と千奈ちゃんへの思い
今年6月に次女は1歳になりました。父親は千奈ちゃんの写真を次女に見せると、次女が笑顔になると述べています。最近では次女が立ち上がって千奈ちゃんの写真に手を伸ばす姿も見られるようになったのだとか。
父親は30日の記者会見で、「次女はまだ何も分からないと思うけど、少しでもお世話になった感覚があるなら嬉しいです」とコメントしました。千奈ちゃんと次女が並ぶ姿を想像すると、心が満たされます。「遺影ではなく、実際に姉妹が一緒に遊んでいる姿を見たかったんです」
安全対策の進展
通園バスの置き去り事件が相次いだことを受けて、政府は2021年4月に安全装置の設置を義務づけました。
こども家庭庁の調査によると、全国の通園バスのうち、2021年6月末までに安全装置が設置済みか設置完了予定だった割合は55.1%(27,566台)でした。静岡県ではこの割合は62.8%でした。
父親は「ルールが改正されるのは、あおり運転や大きな被害が起きた後。実際には、誰かの犠牲の上に誰かの生活が成り立ってきた現実を感じることがありました」と訴えました。
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(出典:Yahoo!ニュース)