鬼の岸田政権が約束した所得倍増計画に騙された国民の限界

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昔から言われるように、「人の噂も七十五日」というものがあります。しかし、岸田文雄首相にまつわる負のイメージはなかなか消えることがありません。岸田政権は数々の増税プランを策定してきましたが、その感度の鈍さや円安対策への不十分さから、内閣支持率は低下し続け、国民の怒りは広がるばかりです。SNSでは「増税メガネ」という名で呼ばれ、行財政改革の取り組みのない予算に対する不安も尽きません。経済アナリストの佐藤健太氏は「首相は国民の不満を受けとめず、目を逸らすために『外敵』を作り上げ、将来のことばかりを話している」と非難しています。

最低賃金1500円を目指すが実現可能か?

またもや、岸田流のサプライズが飛び出しました。首相は新しい資本主義実現会議で、「2030年代半ばまでに全国加重平均が1500円となることを目指す」と表明し、最低賃金を1500円に引き上げることを強調しました。もちろん、政府による目標設定は重要なことですが、国民が物価高に苦しむ中で、「2030年代半ば」と遠い将来のビジョンに疑問を抱く人々も少なくないでしょう。

最低賃金は毎年見直されており、今年から全国平均が1004円になり、初めて1000円台を突破しました。しかし、最低賃金の全国平均は20年前の2002年度に比べて298円上昇して961円となっています。それなのに、首相はこれを「2030年代半ばまで」に約500円上昇させると言っています。明確なビジョンをお持ちなのでしょうか。

首相が発言した数々の「迷言」を思い出します。2021年9月の自民党総裁選の際には、岸田氏は「分配なくして次の成長はなし」と述べ、新自由主義的な政策を否定しました。そして、明確な内容のない「新しい資本主義」を掲げ、所得倍増計画をスローガンとして掲げました。

所得倍増計画は一体どこに消えたのか?

しかし、政権発足後、「所得倍増」という言葉は消え去り、「資産所得倍増」に変わりました。具体的な施策としては、少額投資非課税制度(NISA)の拡充・恒久化が行われ、つまりは「自分の老後資金は自らの投資で稼ぐこと」という投資促進策になっています。

2022年1月の経済団体の会合では、子育てや若者世代の世帯所得の倍増を可能にする制度改革にも取り組むと表明しました。しかし、今年6月にまとめられた「こども未来戦略方針」の中身は、児童手当の拡充など新しい要素はほとんどありません。

そして、岸田政権の特徴として、キャッチフレーズを挙げる一方で、その財源が必ずしも明確にされていないという点があります。倍増させると豪語していた子ども予算は、2024年度から3年間の間に年3兆円台半ばとなり、2028年度までに安定した財源を確保するとしています。しかし、お金には色はありません。本当に予算を確保するために、他の増税や予算の付け替えが行われないのか、見守る必要があるでしょう。

この記事の出典元リンク: 日本ニュース24時間