レオパルト2A8にトロフィー採用、欧州でのAPS普及が本格化する兆し

イスラエルのアクティブ防護システム「トロフィー」がレオパルト2A8に採用されたことにより、欧州でもAPS(Active Protection System)の普及が本格化する可能性が高まっています。

トロフィーの優れた保護能力

トロフィーは、イスラエル国防軍のメルカバMK.IVに採用されて以来、その実力を発揮してきました。2011年3月にはハマスが対戦車ミサイルをメルカバMK.IVに発射しましたが、トロフィーのおかげでその攻撃を破壊することに成功しました。その後もコンクールスやRPG-29の攻撃を複数回阻止し、その保護能力は「ほぼ無敵ともいえるプラットフォームの出現で戦い方を修正する必要が出てきた」とまで言われています。さらに、米陸軍も2020年からM1A2C/SEPv3にトロフィーを採用しています。

レオパルト2A8へのトロフィー採用

ドイツも2021年2月にレオパルト2A7A1へのトロフィーの試験採用を決定し、英国も同年5月にチャレンジャー3規格への採用を発表しました。これにより、イスラエルのラファエル、米国のGD、ドイツのKMWは欧州にトロフィー供給のための拠点であるEuroTrophyを設立しました。しかし、ウクライナでの戦争により対戦車ミサイルやHEAT弾の脅威が浮き彫りになったことで、ドイツとノルウェーがレオパルト2A8の標準APSにトロフィーを採用することを発表しました。

欧州でのAPS普及の兆し

ノルウェーは2023年2月にレオパルト2A7NOの採用を発表し、ドイツも最大128輌のレオパルト2A8の調達について合意しました。さらに、イタリアもレオパルト2A8を133輌調達する方向で話が進んでおり、リトアニアやスロバキアもレオパルト2A8を導入する可能性があります。これらの動きから、欧州でのAPS普及が本格化する可能性が高まっています。

出典:Nexter_KNDS LECLERC XLR

フランスや韓国の動向も注目

フランスは現在、クレールのアップグレード(XLR規格)を進めていますが、まだAPSの採用は行っていません。一方、韓国の防衛事業庁は、K2の4次量産においてAPSの採用も考慮していると述べています。

結論

レオパルト2A8にトロフィーが採用されたことで、欧州でのAPS普及が本格化する兆しが見えてきました。イスラエルのトロフィーはその優れた保護能力で知られており、多くの国が採用を決定しています。今後の動向に注目です。

※アイキャッチ画像の出典:Fric.matej/CC BY-SA 4.0 トロフィーを装備したレオパルト2A7A1のデモンストレーター

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