新国王のチャールズ３世、皇太子在任期間は歴代最長…慈善活動に熱心だが「政治介入」で物議も

チャールズ３世＝ＡＰ

　新国王に即位したチャールズ３世（７３）は、皇太子としての在任期間はエドワード７世の５９年間を抜いて歴代最長だった。７３歳での国王即位は、英王室史上でも最高齢となる。

　最近では、高齢のエリザベス女王に代わって、多くの公務をこなして王室を支えてきた。環境問題や慈善活動への関心が高く、自ら基金や企業を設立する「行動派」でもある。

　ただ、政治不介入の立場を取る王室で、政策に関する私見をまとめた書簡を政府高官に送るなどの行為が物議を醸したことがある。英ザ・タイムズ紙によると、過去に、イラク戦争に際して軍の装備改善を求めるなどしたことが「皇太子による政治介入」と指摘された。（ロンドン　工藤彩香）

　◆チャールズ３世＝１９４８年１１月１４日、エリザベス女王とエディンバラ公フィリップ殿下の長男として誕生した。５２年の母の女王即位に伴い、３歳で王位継承順位１位に。ケンブリッジ大卒業後、海軍に入隊し、８１年にダイアナ元妃と結婚した。元妃との間にウィリアム王子、ヘンリー王子がいる。元妃との別居、離婚を経て、２００５年にカミラ夫人と再婚した。慈善活動に力を入れ、後援する団体数は４００を超える。