アメリカ版一帯一路がゲームチェンジャーとなる可能性に習主席の欠席の理由も?

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ニューデリーの街は、モディ首相の顔写真入りのサミットの看板で埋め尽くされ、テレビでは朝から晩までG20の特別番組が放送され、まさにお祭り騒ぎとなりました。

習近平国家主席とプーチン大統領が欠席したことで、インド以外のメディアにとっては盛り上がりに欠けるG20サミットでしたが、「ライバル不在」の間にアメリカが存在感を示しました。

G20の場で、バイデン大統領はインド・サウジアラビア・UAE・欧州連合の首脳らと共に「インド・中東・欧州の経済回廊プロジェクト」を発表しました。

このプロジェクトの写真が、インドの新聞の一面に掲載されるなど、大きな注目を浴びました。

ゲームチェンジャーになる可能性も

発表された経済回廊プロジェクトは、インドからアラビア海を通り、UAE・サウジアラビア・ヨルダン・イスラエルを経由し、地中海を渡ってヨーロッパに至る大規模なインフラ構想です。

参加国では、既に鉄道が整備されていますが、まだ整備されていない部分の鉄道を整備し、水素パイプラインや海底ケーブルを設置して、物資やクリーンエネルギー、データの流通を促進する予定です。

このプロジェクトが実現すれば、スエズ運河を経由せずにアジアとヨーロッパを結ぶ貿易の動脈がつながることになります。

米ジョージ・ワシントン大学のディーパ・オラパリー教授(インド政治)は「経済回廊構想はインド・欧州間の輸送時間を40%短縮し、中国の『一帯一路』構想への対抗策となる可能性がある。ゲームチェンジャーになるかもしれない」と期待を示しています。

このプロジェクトは、バイデン大統領が去年のG7サミットで発表した「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」の枠組みで発表されました。

PGIIは、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗するために作られたもので、「より透明性の高い、持続可能なインフラ整備プロジェクトを世界で進めていく」とアメリカ政府はアピールしています。

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