ウクライナでは、ショベルカーを改造した地雷除去車が注目されています。ビタリーさんというエンジニアが、日立のショベルカーを改造して地雷除去車を作り、その性能試験をクリビーリフの軍事演習場で行いました。
地雷除去の模索
戦闘に見舞われた地域では、住民たちが不発弾や地雷などを効率的に探知・爆破処理する手法を模索しています。
ビタリーさんの地雷除去車の性能に関心を持ったクリビーリフ当局は、市内での地雷除去支援をビタリーさんに依頼しました。ビタリーさんは軍の地雷工兵部隊の司令官と相談し、地雷除去車に装甲を取り付けるなどの改良を加えました。
地雷除去車の仕組み
ショベルカーのアームの先には、大きな防護板と重り付きの鎖が付いたローターが設置されています。重りが地面にたたきつけられると、地雷は地中に埋設されているものも含め、爆発するか破壊されます。
この発想自体は目新しくありませんが、ビタリーさんは地雷除去車の国内生産を促進し、高価な輸入車を使わなくても済むように、政府の援助を受けることを望んでいます。
性能試験の結果
軍の関係機関が先週行った性能試験では、ビタリーさんの地雷除去車が対人地雷10個と対戦車地雷5個の破壊に成功しました。一部の部品や防護板に損傷が生じましたが、ビタリーさんは修理が簡単に行えると語りました。
対人地雷の試験では運転席に人が座って操作しましたが、対戦車地雷の除去ではリモート機能を用いて安全な距離から操作しました。
地雷除去の限界と必要性
ビタリーさんは「地雷除去のスピードは1時間に最大で2キロを想定しています。ローターの幅は4.5メートルあり、毎時9000平方メートルをカバーできます。しかし、森林地帯など特定の地形には対応していません」と語っています。
地雷除去の専門家は機械だけでは限界があり、「作業員の目と手が何よりも重要です。機械はどこにでも行けるわけではなく、あらゆる場所を見ることもできません」と指摘しています。
一方で、「畑などの広い場所なら機械の方が速く進むことができ、大体うまくいく。地雷除去には機械も必要だと思います」と当局は話しています。
この試みは、ウクライナが地雷除去の効率化に向けて新たなアイデアを模索していることを示しています。地雷除去車の改良が進めば、地域の安全がより確保されるでしょう。
[記事の参照元: 日本ニュース24時間]