50人以上殺して30年間豪華逃亡生活…イタリア「最後のゴッドファーザー」死亡

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イタリア中部都市ラクイラ市のピエルルイージ・ビオンディ市長は、イタリアの悪名高いマフィアのボスであるマテオ・メッシーナ・デナーロ氏(61)が大腸がんで亡くなったことを明らかにしました。

デナーロ氏は映画『ゴッドファーザー』に登場するシチリアのマフィア組織「コーザ・ノストラ」の実在のボスであり、逃亡生活を送りながらも組織のトップを務めていました。イタリアメディアでは彼を「最後のゴッドファーザー」と呼んでいました。

デナーロ氏は数十件の殺人事件の背後に指名手配され、少なくとも50人を殺害したことが分かっています。彼は「私が殺した死体だけ集めても共同墓地一つは作ることができる」と自慢していたほどの凶悪犯でした。2002年に終身刑を言い渡され、今年1月にシチリア島の首都パレルモで逮捕され、終身刑が確定していました。

捜査の結果、デナーロ氏は逃亡中も故郷であるシチリア西部の都市トラーパニ一帯に留まり、当局の追跡をかわしていたことがわかりました。また、逃亡生活中も高級ブランドの服や靴を身に着け、派手な生活をしていたそうです。

デナーロ氏は昨年、大腸がんの手術を受けるためにパレルモの私立病院に通っていました。しかし、彼の逃亡生活に関する機密情報を持つ捜査官によって病院の前で逮捕され、30年にわたる逃亡生活が終わりを迎えました。

逮捕後、デナーロ氏は沈黙を守り、自身がコーザ・ノストラの一員であることも否定しました。彼は現在、イタリアで最も厳重なセキュリティーを誇るラクイラ刑務所で収監されながらがん治療を受けていましたが、先月病状が悪化し、病院に移送されました。

ビオンディ市長は声明で、デナーロ氏の死を受けて「暴力と血の物語は終わった」と述べ、彼の存在が国の歴史に残る悲劇の一章であったことを語りました。

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