オーストラリア、NH90の運用再開が絶望的なので退役予定を前倒し

オーストラリアは、NH90の運用再開が不可能であるため、退役予定を前倒しすることを発表しました。オーストラリア国防相マールズ氏の発言は、注目を集めています。

NH90の運用再開は不可能で早期退役が決まる

オーストラリアは2005年に、S-70A、UH-1H、シーキングMk.50Bを更新するため、NHインダストリーズ製のNH90を導入しました。しかし、NH90にはいくつかの問題があり、最終運用能力を獲得するまでに時間がかかりました。キャビンの床やフロントガラスの補強、懸垂下降フック、ドアガンナーポジションなど、さまざまな再設計が必要でした。

オーストラリア陸軍のNH90
出典:Duan Zhu / CC BY 3.0

さらに、スペアパーツの入手性が悪いため、NH90の稼働率は非常に低い状況が続いています。2021年6月にはスペアパーツ不足により飛行停止となり、豪軍からはNH90への評価が非常に低かったため、ダットン国防相はUH-60Mの導入とNH90の早期退役を発表し、大きな驚きをもたらしました。

導入直後のNH90は2037年までの運用が予定されていましたが、ダットン国防相は「NH90を早期に退役させることで、2037年までに18億ドルの節約ができる」と主張していました。しかし、マールズ国防相は29日、早期退役の決定を発表し、注目を集めています。

UH-60M
出典:Public Domain

議会でもNH90の全面的な運用停止が支持され、「UH-60Mへの切り替えが急務」と言われています。このニュースは現地メディアでも報じられ、NH90の早期退役が確定的であることが興味深いとされています。

ノルウェーも早期退役を決断

なお、ノルウェーもNH90の問題に直面しており、2022年6月にはNH90の要件を満たさないため返品することを発表しました。NHインダストリーズ側は反論しており、問題の解決に向けた協議や法的手続きの可能性も浮上しています。

豪軍がNH90の退役を決断し、後継機としてUH-60Mを導入することを発表したことは、注目される出来事です。

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ソースリンク:日本ニュース24時間