ウクライナ東部・南部の4州がロシアによって併合されてから、30日で1年が経過しました。ウクライナは4州の奪還を目指し、反攻を続けていますが、ロシアによる実効支配が永続化するかは不透明です。
ロシアは昨年9月30日、「住民投票」の結果を根拠にウクライナのドネツク州、ルガンスク州、ヘルソン州、ザポロジエ州の4州を併合宣言しました。ロシアの占領面積はドネツク州の約60%、ルガンスク州のほぼ全域、ヘルソン州の約70%、ザポロジエ州の約70%となっています。
ロシアのプーチン大統領は今年9月28日、4州を含む各地で与党側の圧勝が発表された統一地方選について「公正だった」と主張しました。彼はまた、4州での選挙は「完全な編入への重要な一歩だ」と述べ、「ロシアへの再統合の日」として9月30日を記念日にする法律も施行しました。ロシア政権は4州併合の記念イベントなども開催しています。
一方、ウクライナ在住の40代女性は産経新聞の取材に対し、露占領地域の住民生活が悪化していると指摘しています。露国内からの移住者は高収入を得ていますが、長年住んでいる住民の多くは月収2万〜3万ルーブルにとどまり、街はゴミが散乱しているとのことです。
一方、ウクライナのゼレンスキー政権は4州からロシア軍が撤退するまで停戦しない立場を堅持しており、ウクライナ軍は反攻作戦を進めています。特にザポロジエ州ではウクライナ軍がロシア軍の防衛線を突破しました。ウクライナ軍がザポロジエ州の要衝メリトポリなどを奪還した場合、隣接するヘルソン州や南部クリミア半島の解放も現実的なものとなります。ロシアの4州支配は不安定であると言えます。
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