10万人以上のアルメニア系住民が脱出、もうナゴルノ・カラバフ地域は空っぽ

ナゴルノ・カラバフ地域には、アルメニア系住民が多数住んでいます。しかし、最近の情勢が変化し、アルメニア系住民たちは次々と脱出するようになりました。その数はなんと10万人を超えました。この記事では、その背景や経緯について詳しく見ていきましょう。

アルメニア系住民の脱出が相次ぐ

アルメニアの首相報道官によれば、「30日午後2時時点で10万437人のアルメニア系住民がアルメニアに入国した」とのことです。また、アルメニアの首相は当該地域の住民数について「約12万人」と発言しています。つまり、80%近くの住民がアルメニアへの脱出を選んだということです。この事態は深刻であり、ナゴルノ・カラバフ地域がますます空っぽになっていることを示しています。

安全保障体制の遅れを指摘

アルメニアメディアは、「安全保障体制の後ろ盾を切り替えるのが遅すぎた」と指摘しています。第三次ナゴルノ・カラバフ戦争では、アゼルバイジャン軍の火力に耐えられず、アルツァフ共和国は停戦案を受け入れました。この停戦により、ロシア平和維持軍がアルツァフ共和国を監視しています。アルツァフ共和国のアルタク・ベグラリアン元国務相も、すでに数百人程度の住民がアルメニアへの脱出を始めていると述べました。このような状況下で、アルメニア系住民たちの安全は脅かされています。

アルツァフ共和国の崩壊とは?

アルツァフ共和国は、ナゴルノ・カラバフ地域に存在していました。その人口は推定で14万人から16万人でしたが、パシニャン首相がナゴルノ・カラバフ地域に住むアルメニア系住民について「約12万人」と発言したため、アルメニアに入国した「10万人」という数は、アルメニア系住民の80%に相当します。アルツァフ共和国はもはや「空っぽ」と言っても過言ではありません。

ロシアとの関係が注目される

アルメニアの問題は、ロシアとの関係も大きなポイントとなっています。ワシントン・ポスト紙によると、アゼルバイジャン軍の軍事作戦はロシアの約束を嘲笑の的となりました。実際、ロシアはアルツァフ共和国の安全を保障し、ナゴルノ・カラバフ地域とアルメニアの間のアクセスを守ることを約束していました。しかし、実際にそうなったとは言い難いようです。

最後に

ナゴルノ・カラバフ地域の問題は非常に複雑な歴史的経緯を持っています。アルメニアのアルメニア系住民にとって、ロシアから米国への安全保障体制の切り替えが成功していても、その効果が提供されなかった可能性があります。アルツァフ共和国の崩壊を防ぐことはできたのでしょうか。今後の和平協定の行方や、アルメニアとアゼルバイジャンの首脳会談が注目されます。南コーカサス地域の緊張が高まりつつある中、イランは変化を容認しない姿勢を示しています。

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※アイキャッチ画像の出典:ՀՀ կառավարություն

ソースリンク: https://grandfleet.info/european-region/over-100000-ethnic-armenians-flee-leaving-nagorno-karabakh-region-empty/