米陸軍、155mm砲弾増産でポーランド、インド、カナダ企業も契約を獲得

米陸軍は、2025年第4四半期までに月8万発の155mm砲弾を生産するために、米国内企業、ポーランド企業、インド企業、カナダ企業の計15億ドルの契約を授与することを発表しました。これにより、侵攻直後と比較して155mm砲弾の供給能力は2倍になる見通しです。

ウクライナ支援資金の追加が鍵

AP通信によると、米企業が月に生産する155mm砲弾(約1.4万発)をウクライナ軍が2日で消耗すると報じられています。単純に計算すると、ウクライナ軍は月に18万発以上の155mm砲弾を消費しており、これは欧米企業が月に供給可能な155mm砲弾の数(約4万発)を上回っています。

したがって、米国は「2025年までに月4万発(2023年春までに月2万発)の155mm砲弾を生産する」と計画していましたが、国防総省の調達担当者によれば、増産ペースは予定よりも早く進んでいるとのことです。米陸軍もプレスリリースで「155mm砲弾の生産能力と在庫を増やすために15億ドル相当の契約を締結した」と明かしており、増産計画も進められています。

ウクライナ支援資金の状況が影響

2023年中には月に2.4万発以上の155mm砲弾を生産する予定でしたが、10月には月2.8万発を達成する見込みとなり、供給能力は侵攻直後と比較して2倍になる予定です。しかし、この勢いが持続するかどうかはウクライナ支援資金の追加を議会が承認するかどうかにかかっています。国防総省の関係者も「155mm砲弾などの弾薬購入契約は遅れるだろう」との警告をしており、現在の増産ペースが減速する可能性もあると述べています。

不確実なウクライナ支援が防衛産業に影響

防衛産業企業は、自社製品がウクライナを支援できると感じていますが、正式な発注契約がない限り、株主からの批判を受ける恐れがあるため、不確実な状況では投資に踏み切ることはありません。資金枯渇が続けば、長期的な支援体制にも影響が及ぶ可能性があります。

バイデン政権もウクライナ支援のために国防総省の資金活用を検討しており、ウクライナ関連を含む追加資金の要求も行っています。このような状況下で、米陸軍の155mm砲弾増産は重要な課題となっています。

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army Photo by Dori Whipple, Joint Munitions Command

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