「池の水全部抜く作戦」から2年…「ブルーギル」が駆除された池で別の外来種が「大繁殖」

あれから2年が経ちましたが、名古屋市で行われた「池の水全部抜く作戦」で駆除された外来種「ブルーギル」の後、別の外来種が「大繁殖」してしまったようです。この問題について、最新の情報をお届けします。

名産アユの生態系脅かす「コクチバス」が大量に捕獲

岐阜県郡上市では、2023年7月27日に、北米が原産の特定外来生物である「コクチバス」の駆除活動が行われました。コクチバスは肉食で、岐阜の名産であるアユを捕食し、生態系に影響を及ぼすおそれがあります。この日、76匹のコクチバスが捕獲されました。地元の漁協の組合長は、密放流されたとみられるコクチバスについて、「環境テロ」と憤っています。

名古屋城の堀に現れたことも…特定外来生物とは

特定外来生物には、他にもさまざまな種類が存在します。アライグマ、アリゲーターガー、カミツキガメ、ブラックバス(オオクチバス)、セアカゴケグモ、ヒアリなど、これらも名古屋でも確認されています。アリゲーターガーは名古屋城の外堀でも発見され、当時話題となりました。

特定外来生物には、生態系を壊す、農林水産業への被害、人の命に係わるなどの恐れがあるため、飼育・輸入・販売・野外放出は原則として禁止されています。違反した場合、個人の場合は懲役3年以下または罰金300万円以下、法人の場合は罰金1億円以下が科されます。

「池の水全部抜いた」名古屋の池にはブルーギルが3千匹以上

名古屋でも駆除活動が行われてきました。名東区の猪高緑地では、2021年11月に「池の水全部抜く作戦」が実施され、約100人が池の水を抜いて外来種の捕獲を行いました。この作戦では、3386匹の外来種である「ブルーギル」が見つかりました。ブルーギルは幼魚を食べ、モツゴやメダカにとって脅威となると言われています。

そのほか、特定外来生物である「ウシガエル」のオタマジャクシや、条件付特定外来生物である「アメリカザリガニ」も見つかりました。また、「コイ」も捕獲されました。このように、名古屋の池にはさまざまな外来種が多く存在しています。

千種区の東山新池では、2022年11月には「池のスイレン全部抜く作戦」が行われました。スイレンはきれいな花を咲かせる植物ですが、実は外来種であり、成長が非常に早いことが特徴です。放置すると茎や葉が池全体を覆い、他の植物の光合成ができなくなり、在来種が死滅する恐れがあります。スイレンは特定外来生物ではありませんが、愛知県の条例で「在来生物を圧迫する存在」と指定されています。この作戦で、約1時間の間に約10%にあたる量のスイレンが抜かれました。

以上が、名古屋で行われた「池の水全部抜く作戦」やその後の外来種の問題についての最新情報です。引き続き、地域の生態系を守るための取り組みが必要です。

ブルーギル

引用元: 日本ニュース24時間