【解説】イスラエルとパレスチナ:連鎖する暴力、その理由とは?

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イスラエルとパレスチナの間で続く暴力の応酬について、何故このような衝突が起きているのか、今回は掘り下げてみましょう。

そもそもイスラエルとパレスチナは、なぜ対立している?

「パレスチナ」とは、聖書で「乳と蜜の流れる土地」とたたえられる肥沃な土地です。かつては、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒がアラビア語を共通言語として共存していました。しかし、ヨーロッパでの差別や迫害を受けたユダヤ人たちは、19世紀ごろから「シオニズム運動」を始め、先祖の地に国を築こうとしました。

第二次世界大戦中、ナチスによる迫害から逃れたユダヤ人たちがパレスチナに国家を建設することに国際社会が同調しました。そして、1947年には国連で「パレスチナ分割決議」が採択され、翌年には「イスラエル」というユダヤ人の国家が誕生しました。

しかし、この国家建設により、元々その地に住んでいたパレスチナ人(アラブ人)は故郷を追われることになりました。彼らはヨルダン川西岸地区やガザ地区、ヨルダン、シリア、レバノンなどの近隣諸国に逃れたのです。彼らは難民キャンプで辛い生活を強いられ、イスラエルに反発し、アラブ諸国の支援を受けて中東戦争が何度も繰り返されました。

今は、どういう状態?

1993年には「オスロ合意」と呼ばれる歴史的な和平合意が結ばれました。この合意により、敵対していたイスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)はお互いを認め、イスラエルが占領していたガザ地区とヨルダン川西岸地区でパレスチナ人の暫定自治を始めることができるようになりました。

しかし、イスラム原理主義組織「ハマス」はパレスチナ全土の解放と独立国家の樹立を目指しており、「オスロ合意」を認めていません。そのため、2007年にはハマスがガザ地区を奪い、実効支配するようになりました。

このように、イスラエルとパレスチナの関係は複雑であり、歴史的な経緯や宗教的な要素も絡んでいます。解決には時間と努力が必要でしょう。

記事のソース元:日本ニュース24時間