中国で仏系スーパーが相次ぎ閉店 小売業界の勢力再編か

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フランス発のスーパーマーケット、カルフール(Carrefour)の中国の店舗が相次いで閉店しています。この閉店ラッシュは、小売業界の勢力再編の兆しを意味するかもしれません。

カルフールとその中国進出の歴史

カルフールは1995年に中国に進出し、中国初の本格的な大型スーパーとなりました。しかし、最近では北京市の創益佳店(Chuangyijia)をはじめ、上海市や広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)を含む多くの店舗が閉店しています。

カルフールはピーク時には中国国内に321店舗を展開していましたが、2009年から業績が低下し始めました。同年、カルフール中国の株式の80パーセントがネット通販大手蘇寧易購(Suning)に買収されましたが、その後も業績は回復せず、昨年から今年にかけて100店舗以上が閉鎖されました。

カルフールだけでなく、ウォルマート(Walmart)や華潤万家(CR Vanguard)などの大型スーパーも閉店を余儀なくされています。これはEコマースの隆盛が原因であり、日用品や生鮮食品のネット販売が急速に広まったためです。特にコロナ禍により、外出禁止や非接触での買い物が推奨されるようになりました。

大型スーパーの苦境と新たなトレンド

北京師範大学(Beijing Normal University)経済・工商管理学院の許敏波(Xu Minbo)准教授は、「Eコマースの出現により、各地域の消費者に合わせて流通や販売を差別化してきたスーパーの強みが失われつつある」と指摘しています。ネットでのショッピングでは、消費者はもはや購買範囲の制限を受けず、全てのプラットフォームでの価格の比較さえ可能となりました。その結果、ネット販売での商品価格は競争によって下がり、コストがかかる大型スーパーは価格競争で苦しむこととなりました。

一方で、会員制倉庫型の小売りを手掛けるコストコ(Costco)や「社区」と呼ばれる団地の敷地内などに小規模な生鮮食品店を出店する小売チェーンも好調です。これは、郊外に大型店舗を持ち会員に直接販売するホールセールの経営スタイルが、賃貸料や運営コストが比較的低いためです。

大型スーパーが苦戦する一方で、消費者の好みが細分化し生活のリズムが加速化する中で、生活圏に近い小規模店の利便性が重宝されているようです。

小売業界の未来像

中国には変化の早い国です。人々の価値観や生活スタイルが変わり、新たな技術が次々と登場します。その結果、昔は宝箱のように見えた大型スーパーの役割も終わりを迎え、消費や小売りのあり方を根本的に考え直さなければならない社会に成長しました。

情報源: Yahoo!ニュース


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