トランプ米大統領が先月30日、キューバに対する制裁を強化した。米国人のキューバ観光を制限し、キューバに対する経済制裁措置も強化することにした。1月の就任後にバイデン政権のキューバ圧迫緩和基調をひっくり返す動きを継続したのだ。
ウォール・ストリート・ジャーナルとロイター通信によると、トランプ大統領はこの日キューバに対する経済制裁案を盛り込んだ国家安全保障大統領覚書(NSPM)に署名した。覚書には米国人のキューバ観光を法的に禁止する内容が含まれた。米財務省が関連旅行記録を監査して関連報告書を大統領に報告させることにした。教育関連の旅行や人道主義・宗教的目的のキューバ訪問は認められるが、この場合も旅行客は米国の関連当局の管理と保証が必要だ。関連旅行記録も最小5年間保管しなければならない。
トランプ大統領はまた、覚書を通じ国務省にキューバ軍と情報・安全保障関連機関と関連した組織に対する「ブラックリスト」を作成し発表するよう指示した。このほか、いわゆるキューバ禁止人物リストに地方議員と労組幹部、国営報道機関編集長、キューバ革命守護委員会地域部門責任者などを追加で含んだ。彼らは米国人との事業、送金、米国ビザ発給などが禁止される。
覚書にはまた、キューバ軍部と関連した国営企業GAESAとその系列会社との直接・間接金融取引を禁止する内容が盛り込まれた。米国の政策目標を推進したりキューバ国民を支援する取引だけは例外だ。そのほか覚書にはキューバに対する経済制裁を支持し国連をはじめとする国際社会の制裁解除要求にも反対するという内容が明示された。
キューバに強硬な姿勢を見せてきたトランプ大統領はバイデン前大統領が行ったキューバ緩和政策をひっくり返した。1月の就任後最初の大統領令のひとつとして、キューバを米国のテロ支援国リストから除外することにしたバイデン政権の決定を撤回し、キューバ国民の米国入国を部分的に制限した。
今回の措置がトランプ大統領の支持基盤を強化するためという分析もある。トランプ大統領の私邸であるマールアラーゴ・リゾートがあるフロリダ州には共産政権を避けて米国に来たキューバ移民が多く居住している。米政治メディアのポリティコは「トランプ大統領のキューバに対する強硬政策強化はキューバ亡命者コミュニティに対するジェスチャー。このコミュニティは概して今回の大統領選挙でトランプ氏を支持し、米国がキューバ共産主義政権を追放するのに助けになることを望む」と評価した。