経済産業省は5日、太陽光や風力などの再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)の見直し中間整理案をまとめた。大規模太陽光や風力発電などを買い取り対象から外すとしている。相対取引や入札を基本とし、電力市場の中で競争力のある電源として育成する方針だ。一方、住宅用や小規模な太陽光発電などは当面、現行の買い取り制度の枠組みを維持する。
FITは再生エネの普及促進のため平成24年に始まった。事前に取り決めた高い価格で電力会社が一定期間全量の買い取りを約束している。買い取り費用の一部を電気料金に転嫁する「賦課金」は年間2兆4千億円に上るなど増え続けており、今年度末までに制度を抜本的に見直す。
中間整理案では大規模事業用の太陽光発電や風力発電を「競争電源」として位置づけ、再エネ発電事業者自らが電力市場を通じて電気を販売する。販売価格が国の提示した基準価格を下回った場合は、国が補填する仕組みを想定している。
一方、住宅用や小規模事業者用の太陽光発電、小規模地熱発電などは「地域電源」として区分。災害に強い分散型電源であることや地産地消の効果などを考慮し、FITの枠組みを維持する。地域産業との相乗効果も狙う。