高齢化社会の日本。今や10人に1人が80歳以上。65歳以上の高齢化率も過去最高となり、介護が必要な人は増え続けています。そんな中、SNSであがるのは、「介護している親を姥捨山に捨てていいって法律作るか、国が責任もって引き受けるかしてください」「親に手を上げてしまった。もう在宅は限界なのかも」という訴えです。
■「何の罪にもならないのであれば、私は母を捨てたい」
15年前から認知症を患っている石橋トキ子さん（84）。尿とりパッドを換えているのは、娘の和美さん（46）。1人で介護を続けています。
「死にたいっていうんじゃなくて、とにかく消えたい。もし何の罪にもならないのであれば、私は母を捨てたい」と和美さんは言います。
長年の介護によって訪れた限界。特に、精神的・肉体的に追い込まれるというのが、排泄の介助です。トキ子さんはおむつをしているが、自分の意思でトイレに行くことも多い。和美さんが外から戻ると、家の中が便まみれになっていることもあると言います。
「便が硬ければまだいいが、柔らかいとあちこちに飛び散る。お湯で洗うと臭いがものすごく上がってくるので、それが辛い」
トキ子さんは午後8時に就寝しますが、数時間ごとに起きて徘徊するため、和美さんが長時間寝ることは難しいそうです。現在はトキ子さんの年金（約7万円）と、姉からの仕送りで生活しています。さらに、月2回のショートステイ（4泊5日）と、週1回のデイサービスを利用していますが、施設に預けることは「経済的な問題」から選択できないと言います。
「ケアマネージャーさんは、できることはしてくださっているし、すごくいい方。しかし、何をするにしても経済的な問題がある。特別養護老人ホームは要介護3でないと申請できない。母は去年は3だったが、今年2に下げられた。それを更新したいとケアマネージャーさんに話をしたら、『再審査のほうが検査項目は厳しくなるし、急に調子が悪くなった時のほうがまだ見込みはある』と言われました」
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